モニュメントバレー
モニュメントバレー

電信柱と電線。好きなんである、なんだか。送電という役割以外に人に見向きもされなかったり、景観を壊すと言われたり。全くその通りなのだけど、時に切なく、時に美しく見えたりもする。アメリカ西部の原野に佇む電信柱は日を正面に浴びて光っていた。何万年もの間変わらない風景の中にあって、めまぐるしく移り変わる人類の文明の象徴でもあるかに見える。こんな場所にあるからこそか、特別に見えてしまうのである。電信柱はさておき、今年はアメリカの原野をテーマにした写真展を催す予定だ。人の匂いを感じない、あるいは拒絶する原野。そこはいったい誰のために存在するのか。その美しさは誰が見るためのものなのか。けして人間のために用意された美しさではないはずだ。けれど、ヒトである僕もここを美しいと感じ、誰のものとも計れないこの光景を拝借してくる次第である。

Copyright: Hideyuki Motegi
 
 


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