【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編
撮影テクニック編
ネコの撮影テクニック「中編」
〜レンズを猫に上手く向けましょう〜

稲垣 英徳

撮影の際の照明配置(前半)
インドアでのスタジオフラッシュ撮影、そしてタングステン灯の猫撮影では二灯、又は三灯で撮影される事が多い物です。後編で述べる予定のフラッシュ撮影でも、これから紹介するタングステン照明での撮影でも、二灯〜三灯を基本の形として使って居ますので、是非参考にして撮影に挑んで下さい。

既に読者の方はご存知でしょうが、人間の撮影と違い猫は大人しくしてくれません。前編、中編で述べた色々な手順を踏んで、ご機嫌を取っても、背景の上に居ると誉め讃えられる事がわかる程度迄で、後は、猫自身の気分の赴くままに色々な位置を移動します。その為、照明の配置も、猫が何処に居ても困らない程度の配置にならざるを得ません。また、猫撮影の多くが、猫にとっての最善の環境が飼い主宅への出張撮影で在る以上、持ち込める照明の数、配置出来る位置等の選択肢は限りなく狭い物となります。 その為、ぶっつけ撮影も多い猫撮影では、最も安全な配置で在ると言える、左右正面に二つ、同出力の照明を焚きます。
典型的な、タングステン照明の様な
高出力ライトを使ったスタジオで撮られた猫の顔です。
勿論、猫の位置、向きに依って、左右の何れかの方が近くなり、必然的にそちらの方が明るくなりますからその辺りの事は、臨機応変に対応する必要が有りますが、少なくとも失敗が少ない撮り方となります。
又、照明の間合い、必要な出力は、撮影場所の空間に依って大きく左右されます。筆者の場合はこの猫の撮影の場合、600Wのハロゲン照明を2灯、又は予備として500Wの照明を入れて3灯にする形で行いました。これは筆者が撮影に使ったセットがたまたま比較的小さな為で、もう少し広い空間では、左右に1200Wずつ、もしくはそれ以上が必要になるでしょうから、必要な光量の判断は、現場での自らのカメラマンとしての判断に基づいて行うと良いでしょう。此処では、単に基本形は、正面左右に照明を配置する形だとだけ覚えて頂ければ良いです。

このフラッシュ撮影のよる写真は、実は少々難しい猫の目のマクロ撮影ですが、目に在る四角のハイライトは、ソフトボックスを用いたフラッシュです。よく見るとカメラを構えた筆者が写り込んでいます。背景を敷いた台の上で猫に大人しくして貰っているが判るでしょうか?
撮影の合間の悪戯中

但し、スタジオ撮影の場合、実は望遠を使う事が多い事から、フルサイズセンサーのDSLRで、絞り値がF8〜F13程度、APS-C機でもF8程度はやはり欲しい事が多いですし、生き物相手ですから、シャッタースピードも1/100〜程度は欲しくなりますので、それなりの光が欲しくなります。しかしながら、明るすぎれば猫が嫌がると言う問題も有りますので、そこら辺りの微妙なバランスは、猫次第となりますので、照明機材はある程度融通が効く物が良いでしょう。

もちろん、タングステン照明の撮影は、フラッシュ撮影の物と比べて頂ければ判りますが、どうしても瞳孔が細くなりがちです。この為、瞳孔が開いて居る写真はフラッシュで、そして大きなアクション等と撮ったり、もう少し剽悍な感じを撮りたい時は、明るく照明を焚いた物と言う感じだと理解頂ければ良いでしょう。また、撮影経験の浅い猫を撮る場合は、安全に撮る為にもフラッシュ照明を避け、明るく通常の照明を用いて撮影する事となります。
・・・猫の撮り方(後編)に続く。



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  稲垣 英徳   2007.04.27