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印刷出力基礎知識編 |
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印刷入稿の手引き:Photoshop、バージョン間の「非」互換性 凸版印刷(株)情報出版事業部 技術開発本部 技術SE 出版CS チームディレクター 紺野慎一 |
「Photoshop下位バージョンとの互換に注意」というテーマで、ルールの確認をしてみましょう。とかくPhotoshopは他のDTPアプリケーションと比べると、バージョン間の互換に関する注意が希薄になりがちです。しかし、Photoshop
といえども決して例外ではありません。かえって出力の現場レベルではトラブルの盲点として、最も注意の必要なアプリケーションだと言っても過言ではありません。
CS2 で作成されたデータを旧バージョンのPhotoshopで作業すると、データの体裁が維持されない場合があります。必ず作成バージョンで作業するようにします。互換性に大きく影響を及ぼす主な機能について挙げてみましょう。皆さんも、コラボレーションなどで作業をするときは気をつけてください。 ルール:必ず作成バージョンで作業すること。 |
1.パス上のテキスト配置
7.0 以前のバージョンで、テキストを編集するために「更新」してファイルを開くと、パスが維持されず体裁が崩れます。 |
![]() ver. 7.0.1 で、[ 更新」してファイルを開くと、パスが維持されずに体裁が変化する。 |
2.16
bit 画像に対する調整レイヤー
16 bit 画像に調整レイヤーを適用したファイルを7.0 以前のバージョンで開くと、レイヤーが統合されて、調整レイヤーによる再編集ができなくなります。 |
![]() 16 bit 画像に調整レイヤーを使用したものを7.0 以前のバージョンで開いた場合 |
3. テキストを使用したデータ
テキストを使用したデータを旧バージョンで開くと、文字送りが変化する場合があります。さらにver. 5.5 ではラスタライズされて編集ができなくなります。 |
![]() CS2 で作成したファイルをver. 7.0.1 で開くと微妙に文字送りが変わる |
4.「ベクトルデータを含める」で保存
ベクトルシェイプを使用したデータで、EPS オプションの「ベクトルデータを含める」にチェックしてルール通り(Photoshop world 01 号を参照)に保存をしても、Ver. 5.5で開いた場合、ベクトルデータがすべて脱落します。 |
5.Adobe PDF を保存
Photoshop CS2 でAdobe PDF を保存する時に、「Photoshop 編集機能を保持」にチェックを入れると、CS2 では再編集することができるようになりますが、旧バージョンでは開けなくなることがあります。 |
![]() PDF で保存する場合、「Photoshop 編集機能を保持」のチェックを外せば、旧バージョンでも開けるが、調整レイヤーなどがあった場合、レイヤーが統合されてしまう。 |
凸版印刷(株) 紺野慎一 |
2007.06.06 |