ここ数回の記事で、透過性のある物質として氷や雪、食べ物などをこれまで紹介してきた。今回はこの流れで、植物の絵を仕上げる過程でどのようなことを筆者がしているか紹介しよう。
最近は、メンタルレイという3DCGのレンダラーなどにもあるようなSSS(サブサーフェイススキャタリング)という技術を使って、透けて内部に入り込んだ光が拡散して光ってみえるような牛乳や紅茶などの表現もさかんに使われるようになってきた。これを使えば、どのくらいの光が透過するか、どんな色で拡散するかなどを調整することができる。SSSはお手軽に透過物質を表現できるが、やはり自分なりの世界観を狙った通りに仕上げるなら、視覚的に調整できるマップをフォトショップで用意して、光をコントロールしないとならない。
今回は、筆者が植物をどのように調整しているかを紹介する。
【画像1】は、一方向からの強い光と弱い環境光を入れただけの状態のもの。通常だと影側はすごく暗くなるため、アンビエントカラーなどで調整したいところだが、それだとただ単に全体が明るくなるだけだ。SSSを使うと画像1の左側のように透けて、内部で光っているような感じが出せる。ちなみに、透過する光を赤く設定しているので赤みを帯びている。いかにも3DCGっぽい感じだ。
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