【Photoshop for Graphic】
グラフィック制作編 Adobe Illustrator 編 Corel Painter 編
グラフィック制作編
カメラに拘らない素材集め
海津ヨシノリ

デジタルカメラの高機能化は携帯電話にも波及していますが、私の愛用している携帯電話は最高500万画素で撮影できるので、面白いモチーフが目に入ったら直ぐに素材として撮影することが出来ます。携帯ばかりでなく、コンパクトカメラなどでも十分にデザイン素材として利用できる写真を撮ることが出来るので、最近は町中を素材集めの場と考えるようになりました。

そんなわけで今回は手近にある素材を携帯で撮影し、フォトイメージングの素材として見ることにしました。Photoshopさえあればとりあえず何とかなってしまいます。

●撮影テクニック

【図01】は普通のみかんです。ただし、撮影はフラッシュをオフにし、窓際に配置してから撮影しました。回りにかなり適当なものが合ったのですが思い切ったトリミングでストレートに撮影してみました。携帯はどちらかというとメモ代わりと考えていいと思いますが、工夫すればかなり綺麗に撮影できます。次に素材集から【図02】のような金属の錆びた写真を見付け出して使うことにしました。この時サイズを2000×1500ピクセルとし、それにみかんの写真のサイズも合わせています。もちろん、どこかで撮影できればそれがベストかも知れませんが、今回はいい素材が見つかりませんでした。なお【図02】は左上に余計なものが写っているのでスタンプツール等で消し取りました。

【図01】
携帯電話で撮影したみかん
【図02】
素材集からピックアップした錆びた金属の写真
【図03】
【図02】の左上の部分をレタッチ処理にて消し取ります。

ここで、みかんの部分をレイヤーマスク等でマスキングします。【図04】は処理後の状態ですが、いびつになっているみかんの輪郭はそのまま利用することにしました。また、その理由については後述します。続けて【イメージ>色調補正>特定色域の選択】にて【図05】のように黄色の部分を強調し、色に深みを与えます。【図06】は処理結果です。
このようにして作ったイメージです。【図05】はその時のレイヤーの状態です。かなり有機的でユニークなイメージになります。

【図04】
みかんの背景をマスキングで消し取ります。
【図05】
【イメージ>色調補正>特定色域の選択】の設定値
【図06】
【イメージ>色調補正>特定色域の選択】の処理結果

続けて背景画像の上にみかんを乗せます。【図07】は、【図02】の上に【図06】を配置しただけの状態です。もちろんこのままでは不自然ですので、少しずつ全体を馴染ませていきます。最初に【図08】のように背景画像の複製をレイヤーマスクにて、下半分だけ表示させ田者を用意し、描画モード【乗算/不透明度=100%/塗り=100%】にて【図02】と【図06】の間に配置して【図09】の状態を得ます。なお、この段階でみかんの輪郭を【選択範囲>境界線を調整】にて【図10】のような設定にて柔らかい輪郭に変更しています。

【図07】
背景画像の上にみかんを乗せた状態。
【図08】
背景画像の複製をレイヤーマスクにて下半分だけ表示させる
【図09】
【図08】の描画モードを【乗算/不透明度=100%/塗り=100%】として【図02】と【図06】の間に配置。
【図10】
【選択範囲>境界線を調整】の設定値
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  海津ヨシノリ   2008.2.22