【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編
写真加工テクニック編
海と空をイメージ通りの鮮やかな色に仕上げる秘技!
永嶋サトシ
ただし、この絵柄の場合、海の色を調整すると空のトーンとのバランスが崩れてきます。そこで、空も個別に対応します。クイックマスクで作った選択範囲を反転して、空を選択範囲にしたら、「トーンカーブ」でコントラストを少し立ててやればバランスがとれます。
【図4】
海の青が鮮やかになったが、空とのバランスが悪い。
【図5】
空側を補正するため、「トーンカーブ」の調製レイヤーのマスクを呼び出し、反転する。
【図6】
空のトーンを落とし、コントラストを引き出す。
【図7】
ここまでのレイヤーの状態。空を補正した「トーンカーブ2」の「レイヤー効果」を呼び出す。

ところが、問題がひとつ。空のコントラストを立てると橋や遠景の部分。調製レイヤーのレイヤーマスクを編集してもいいのですが、手間と時間がかかりますね。そんなときは、「レイヤースタイル」による「ブレンド条件」を活用しましょう。これでシャドウ側を省略すれば、橋や遠景のトーンは元のままで、空だけに「トーンカーブ」の効果が現れます。風景写真には必須のテクニック。さまざまな景色にお試しあれ。
【図8】
「レイヤースタイル」の「ブレンド条件」で図のようにシャドウを省略してやると橋や遠景への影響を避けられる。
【図9】完成。海と空、それぞれにイメージ通りの色彩が得られた。


ナカムラゲンキ
永嶋サトシ
株式会社エヌ・フォト代表取締役社長。
(社)日本広告写真家協会理事、電塾運営委員、Adobe認定エキスパート。
広告写真の分野にて20余年、常に新しい表現を求めて写真的向上心を追求し90年代初頭よりデジタルフォトに携わり、MacintoshとPhotoshopにどっぷりとはまる。1995年より業務用デジタルカメラも導入し、2000年には完全デジタル対応スタジオも完成させ現在では100%デジタルで日夜仕事をこなす。また、撮影及びデジタル画像処理の本職に平行して、セミナー、雑誌執筆、書籍など幅広くデジタルの啓蒙活動にも力を注ぐ。

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  永嶋サトシ   2007.10.12