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【Photoshop for Print】
基本編 印刷出力基礎知識編
基本編
アンシャープマスク(USM)の秘密A
MD 研究会 郡司秀明
今回はUSM の「(適応)量」についての説明から。 100%というのは、ボケ信号の濃度差がメイン信号と同 じになる場合を基準にしています。角の高さでは大雑把 に言えば濃度差の約半分の角が白(ライト)側と黒(シャ ドー)側に付くことになり、上下分(黒白分)の二つの 角を足せば元の濃度差と同じになるわけですから、200% は100%の2 倍となる理屈です。

わかりにくいパラメーターである「しきい値」は「USM 効果を濃度差の大小でON/OFF できるようにする機能」 のコントロール値で、しきい値に設定する量が濃度差とい うことですが、8bit なら0 から255 というステップで、0 ならすべての濃度変化にUSM 効果がかかりますし、255 なら全くかからないことになります。USM オンを通常状態 と考えれば、しきい値によるUSM コントロールはノイズ コントロールと考えることもできますが、しきい値をあまり 大きく取ると調子もなくなってしまうので「5」くらいを通 常値と考えればいいでしょう。10 以上だとハイライトの調 子も失ってしまいます。もっとも、調子を大切にするプロ はしきい値を「0」に設定したりしています。

アナログ時代のハイエンドドラムスキャナのUSM は「G フィルタの信号」や「R フィルタの信号」で造っていました。 つまり一色の信号から造ったUSM 信号を全色の信号に乗 せていたのです。目の視感度が一番高いG 信号から取っ たものがシャープなので、G チャンネルUSM が一般的で したが、シャープ過ぎるため肌モノ用にはR フィルタなど も好まれていました。また、USM にこだわったスキャナ ではわざわざグレーフィルタ(実際にはアンバー色)を使っ てUSM 信号を造っていたくらいですから、USM は画質を 左右する大きな要素だった(現在進行形?)のです。より 自然なシャープネスが欲しいからということなのですが、 Photoshop では各版バラバラにUSM がかけられるので 各色の強弱に応じてエッジを得ています。誤解されるとい けないので言い切っておきますが、このこと自体は決して 悪いことではなく、99%の原稿に対しては良好なUSM が 得られることは保証します(キッパリ)。

図のようなチャートを使用してUSM をかけると、各色 版ごとの相対濃度に応じたUSM のかかり方の違いが一目瞭然で分ると思います。
step01 1.
オリジナルのパターン。
step02 2.
1.のパターンに対して、このような設定でUSM 処理をする。
グレー部分は隣接する相手が色 だと各色バラバラにUSM がかかるので「色エッジ」が付 いてしまっています。RGB をCMYK 変換した画像も基本的には同様ですが、信号のレベル差に応じてUSM のエッ ジが決まってくるので極端さはRGB に比べて少なく見える かもしれません。
step03
3.
RGB 画像に対するUSM 処理の結果。グレー部分などで「色エッジ」が発生しているのがわかる。
step04
4.
CMYK 画像に対するUSM 処理の結果。RGB よりやや弱めの処理になるため色エッジの発生も穏やか。
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  MD 研究会 郡司秀明   2007.04.27
 
 
 
 
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