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【Photoshop for Print】
基本編 印刷出力基礎知識編

印刷出力基礎知識編
広色域印刷もプロファイルが命
瀬飛寅男(せっぴとらお)
ここまでは「広色域印刷するなら原稿を吟味すること!」ということだが、よくおわかりいただけたと思う。次はプロファイルの大切さだ。4色CMYK印刷でも、ICCプロファイルの大切さをこれまでにも力説していたと思うが、6色、7色になると色のつながりがトラブルという形で短絡してくるので、プロファイルの品質は多色印刷の生命線だ。

 [図4]
例をお見せしよう。Hexachrome用のICCプロファイルだが、Pantone社提供のICCプロファイルを分析してみよう。分析に使っているのはMDツールNo.1を使っているが、図4を見ていただきたい。グレートーンを見ればシャドー部でCMYが反転している。これは総インキ量が少ないため起こる現象というか、GCRがかかっているのだが、広色域印刷という高級印刷の品質としては適しているとは言い難い。またグレー部にはO(オレンジ)インキとG(グリーン)インキがほとんどはいっておらず、つながりという点では少々不安が残る。これは致し方のないことで6色コンベンショナルな網点&網角を使用してしまうとモアレが出てしまうからだ。またHexachromeはPantoneの特色をプロセスカラーで再現できるという効率を優先したものであり、品質至上主義というよりは効率重視で設計されたインキシステムなのである。
 [図5]
しかし「これだけの再現色域を有しているのなら日本特有の再現品質が得られるはずである」という理想の元にPantone Hexachrome Consortiumが設立され、OGインキをFM網点で再現するというPHC(パントンヘキサクロームコンソーシアム)オリジナルのICCプロファイルを開発したのだ。図5がそのプロファイルの特性だが、シャドー部でのCMY反転のないことグレー部にもOGインキが入るのが分かっていただけると思うが、これだけでも色のつながりが良いはずなのである。
 [図6]
 [図7]
図6がPantone社提供のプロファイルで分版したセパ、図7がコンソーシアムのものだが、Gインキで比べてもらえばコンソーシアムのものがつながりの良いのが一目瞭然だと思う。


[図8]


[図9]
今回は色をビジュアルでチェックすることの大切さを簡単な例でご紹介したが、もしMDツール(図8の右下のDOC参照)に興味がおありなら、図9のサイト(googleでMDツールと検索すれば出るはず?)からダウンロードしていただきたい。


わらまあ(藁谷 真)
瀬飛寅男(せっぴとらお)
わたくし姓は瀬飛(せっぴ)、名は寅男、人呼んでアミテンの寅と発します。
神田川で産湯をつかい、ガキの頃から活字とインキをおもちゃ代わりに育ったケチな野郎でございます。これまでデジタルの名の下に散々色々なことをやって放蕩三昧の生活でしたが、そのヒット率はと言いますと「印刷に関しては四割打者目前、マルチメディアは松井クラス」というのが正直なところでございましょうか?ただし、なぜ違ったかについては?十分な説明をするのをモットウとしております。

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  瀬飛寅男
(せっぴとらお)
  2007.11.16
 
 
 
 
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