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tugemiさんインタビュー  
音づくりへのこだわり
前回に引き続き、今回もFLASHクリエイターのtugemiさんを紹介する。実はtugemiさん、FLASHだけでなく「音作り」にもかなりはまっていて、自分のサイトでサウンドデータを配布もしている。その音作りにもInutos3が活躍している。

tugemiさんの傍らには、いつもIntuos3。ペンだけでなく付属のマウスも愛用している。
Intuos3が奏でるFLASHの効果音
前回はFLASHクリエイターとしてのtugemiさんを紹介した。ところが、そのこだわりは、FLASHだけにとどまるものではなかった。tugemiさんは、音さえも作り出してしまうマルチクリエイターだったのだ。FLASHでは音も重要な要素であることは誰もが認めるところ。その音を自作できるというのは、FLASHクリエイターにとっては、かなりの強みである。
自ら「音好きなんです」と語るtugemiさんは、幼稚園の頃から中学生の頃までエレクトーンを習っていた。やがてパソコンを扱うようになって「リズムが打ち込めるのにはまった」というのはシンセサイザーソフトの「Reason」だった。日本語にローカライズされていないそのソフトは、「楽器屋に紹介されて購入したのですが、英語なのでよくわからない機能もあって…」とはいうものの、機能を確認しながら、かなり使いこなしている様子。それもIntuos3で。
音を作り出すのだから、当然ながら音を打ち込んだり、時間に合わせてその強弱を付けたりしなければならない。いわゆる「打ち込み」だ。その打ち込みをするのに、ペンが最適なのだという。それは意外に細かな作業なのだが、マウスではいちいちクリックしなければならないし、思い通り正確に打ち込みをするのも難しいという。それが「ペンタブレットだと、思ったところにポンポンという感じで、思い浮かんだメロディーをすぐに打ち込みできる」のだそうだ。
また、ソフトの「MATRIX」部分をペンで線を描くようになぞるだけでリズムや音のパターンを調整できる。滑らかな曲線を描くのは、マウスでは到底不可能なペンタブレットの真骨頂。なだらかに変わっていく音の強弱はアナログ感覚で操作できるペンタブレットだからこそだ。
そうして生み出された「tugemiサウンド」がFLASHを彩り、演出し、より楽しいムービーにしているわけだ。

作られた音の一部は、彼女のサイトからダウンロード可能だ。tugemiさんの曲想をリアルタイムに形にしていく、その重要な役割を担っているのがIntuos3だった。

Desk Top Musicソフトの「Reason」を使うときは、ほとんどの操作がペンタブレット。打ち込みや音の強弱、スライダ操作などペンの方が思い通りに操作できるからだとか。
 

Reasonの操作画面。中央の「MATRIX」の赤いグラフは、時間ごとの音の強弱を示す。描いた曲線通りに強弱が指定されるが、滑らかな強弱の移り変わりは、ペンタブレットでしか表現できない。
 

tugemiさんが作ったサウンドをダウンロードできる「フリーサウンド配布サイト」(http://e2-d.com/01sound/sound.html)。効果音やリズムなどたくさんのサウンドが無償で提供されている。
Adobe CS3でFLASH制作が大幅に効率的になる

さて、前回も触れたが、tugemiさんは、2007年7月15日(日)、16日(月)に開かれた「The Days of Web Standards 2007(Web標準の日々)」で、アドビシステムズの西山正一さん、そしてMacお宝鑑定団のDAMBOさんと一緒に、Adobe CS3で変わるFLASH制作をテーマにセミナーを行った。
前回、今回と紹介してきたFLASHムービーの制作や音の制作についてそのノウハウが披露された。ただ、tugemiさんの制作環境は、CS3以前のFLASH8。PhotoshopもバージョンはCS2だ。それが、CS3の導入によって、どれだけ効率的になるかがセッションテーマだ。

たとえば、tugemiさんの仕事で、100人のシェフを顔写真入りで並べて紹介するサイトがある。この仕事では、Photoshop CS2で100人分のレイヤー分けされた写真をスライスして、それを1枚ずつFLASHで配置していったという。しかし、CS3の環境なら、Photoshopのレイヤーデータをそのまま読み込むことができるし、テキストもそのまま読み込んでFLASH上で編集可能だ。これだけで、その作業時間は大幅に短縮されることになる。時間に余裕ができれば、その分、FLASHムービーのクオリティを高めたり、思いゆくまで音の制作に時間を振り分けることができる。
また前回紹介した「チーズくん」のアニメも、従来は分解していたものを、新しいAfter Effectsの「パペットピンツール」を使うと、静止画を自由自在に動かすことができるようになる。tugemiさん言うところの「くらげのように、たこのように、びにょーん」とした動きも簡単に作れてしまう。もちろん、ペンタブレットを使えば、その動作の設定もよりスムーズに行えるはず。
FLASH、Photoshop、After Effectsなど、従来、うまく連携しなかったこれらのソフトも、CS3にすることで、ネイティブデータのやりとりが可能になり、また機能向上したことで作業効率が飛躍的に高まる。そこにIntuos3が加われば、さらに思い通りの表現や作品づくりが可能になる。その可能性は無限と言っていいだろう。


「The Days of Web Standards 2007(Web標準の日々)」でセミナーを行うtugemiさん(右端)。左端はMacお宝鑑定団のDANBOさん、中央はアドビシステムズの西山さん。3人の掛け合いに会場からは笑いが絶えなかった。
 


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Photoshopには欠かすことの出来ないツールであるワコム社のペンタブレット。中でもフラッグシップモデルであるIntuos3は世界中のクリエイターに愛用されているモデルである。
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