【Photoshop for Graphic】
グラフィック制作編 Adobe Illustrator 編 Corel Painter 編
グラフィック制作編
Photomergeと自動合成
海津ヨシノリ
(2) 空の画像を自動合成
「Photomerge」はパノラマ作成に有効ですが、パノラマ写真を利用するケースは少ないので興味を持たれる方は少ないかも知れません。しかし、この機能はパノラマ写真作成のためだけの機能ではないのです。例えばGIFアニメやAfterEffectsでのモーショングラフィックス等で利用したいイメージを横長で用意したい場合。あるいは、素材集などで大きなイメージを探せない、または撮影が困難という場合に重宝するのです。
何かと重宝する空の写真を例にとると【図06】【図07】のような2枚の画像があった場合、この画像を元に横長のイメージを作り出すことが可能です。ただし、この2枚は連続した撮影画像ではなく、まったく異なるシーンで撮影された類似画像のため、「Photomerge」ではなく、「レイヤーを自動合成」を利用します。ポイントは「160%の左右延長」。必ず重なり部分を残すサイズにすることです。

※空の写真が数枚あれば、自動合成の組み合わせでかなりのバリエーションを作成することができます。
【図06】【図07】
連続しない2枚の空の写真。
具体的に見ていきましょう。まず、【図08】のように2枚の空の写真をレイヤーに分け、「イメージ」→「カンバスサイズ」で水平方向に160%拡大してから2つのレイヤーの画像を両端に移動させます。色々実験した中で、160%程度がギリギリの値のようです。ある程度の重なり部分がないと、きれいな結果が得られません。【図09】はこの段階のイメージです。ここで2つのレイヤーを同時に選択し、「編集」→「レイヤーを自動合成」を実行すると【図10】になります。処理後のレイヤーの状態は【図11】となり、「Photomerge」と同じくレイヤーマスクが作成されています。なお、空のような画像の場合は、【図12】【図13】のように逆のレイアウトでも処理を行っておくと、パターンを追加できます。
【図08】
2枚の空の写真をレイヤーに分け、カンバスサイズを拡大してから画像を両端に移動。
【図09】
2つのレイヤーに分けて両端に移動した空の写真の処理前の状態
【図10】
【図09】に対して「編集」→「レイヤーを自動合成」を実行するとこのように空がつながる。
【図11】
【図10】のレイヤーの状態がこれ。
【図12】【図13】
2つのレイヤーに分けた空の写真のレイアウトを逆にして「レイヤーを自動合成」すると別のバリエーションが生まれる。
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  海津ヨシノリ   2007.09.19