【Photoshop for Graphic】
グラフィック制作編 Adobe Illustrator 編 Corel Painter 編
グラフィック制作編
Photomergeと自動合成
海津ヨシノリ
(3) 背景イメージの面積拡大
レイヤーの自動合成処理は、空のようなイメージではなく、もう少し具体的なエンドレスパターンのような画像にも大変適しています。例えば【図14】のような砂利の画像を解像度はそのままに面積を増やしたい場合、従来はかなりのスキルを必要としていました。しかし、CS3であれば雲の合成と同様に【図15】のようなレイヤーの状態を作成すれば「レイヤーを自動合成」で簡単にサイズを大きくすることができます。【図16】は四隅に合わせて4つのレイヤーの複製画像を配置した時の中心部分のアップですが、重なり部分が目立ってしまいます。しかし、全てのレイヤーを選択してから「編集」→「レイヤーを自動合成」を実行すると【図17】【図18】のように自然につながります。
【図14】
解像度の小さな砂利の写真。
【図15】
水平・垂直方向にカンバスサイズを160%拡大し、複製をそれぞれの四隅に配置。
【図16】
配置しただけの状態の部分アップ。境目がわかる。
【図17】
「レイヤーを自動合成」処理した後の画像の拡大図。
【図18】
処理後の全体図。つなぎ目のないサイズの大きな画像が簡単に手に入る。

以上のように「レイヤーを自動合成」を活用することで、Photoshop上での画像処理ばかりでなく、AfterEffects用のエリアを広げたベース素材、3Dソフトのテクスチャーや背景イメージの作成に自由度が増すのではないでしょうか。なにより小さい面積しかない元画像を工夫次第で拡大できるメリットは計り知れません。色々と実験してみてください。

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  海津ヨシノリ   2007.09.19