【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「後編 2」
稲垣 英徳

ミラー機材との簡単な比較

図8

この様な低い視線にある物を撮るのは、魚眼レンズのワンショット全天撮影には不向きです。ワンショットミラー機材の独壇場ですね。

ミラー機材、魚眼レンズ双方とも、Photoshop上簡単に360度の全周パノラマが作れますが、円周魚眼レンズは、軽いので、かなり安直に撮りながら移動することができるのが魅力と言えます。
ミラー方式は、トップヘビーでバランスが悪く、持って歩くのには苦痛な大きさばかりで、それに比べれば、一般的な魚眼レンズの大きさなど(例外は在ります)、あまり大した問題にはなりません。

少なくとも現在メーカーから市販されている魚眼レンズならば、問題にならない重さの物が殆どでしょう。

比較的高画質を得られる第三世代のミラー機材の多くは非常に高価です。
もちろん自作のミラー機材を使用するならば別ですが、現実的な選択としては、市販ミラー機材か、それとも魚眼レンズを買うかと言う選択になります、

魚眼レンズは屋内のインテリア撮影には非常に不向きです。床、壁の撮影などに制限が伴うからです。 しかしながらアウトドア撮影で、あまり道路等の方に注意を払う必要が無いと言うのであれば、魚眼レンズはかなりの価値を持つでしょう。 ミラー方式は、鏡の位置より上の物を写す事ができない以上、町並みなどの撮影では魚眼レンズに勝る物はありません。

図9

忙しい街中では、魚眼レンズを天頂に向けるだけで撮影して歩くのも有効です。

そして魚眼レンズは、手持ちだけや、魚眼+カメラ+一脚+垂直マウント用の金具、という組み合わせで歩き回れますから、低予算のプロジェクトでは是非、活用したい物です。
全周魚眼レンズはフルサイズセンサー機を用いるか、コンバージョンレンズを用いるかを考えなければなりませんが、その辺りを乗り越えれば大変有意義な物となります。

この手の魚眼レンズが、筆者のカメラバッグの中に必ず入っているのも、大掛かりな機材無しに安直に360度のパノラマ写真が撮れるからです。
犬や猫の鼻の魚眼写真を常に撮るために、持ち歩いている訳では決してありません(笑)。

次回は、魚眼レンズで水平に撮影された物を展開する方式について述べます。

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  稲垣 英徳   2007.09.14