さて、筆者の場合、このTips原稿シリーズは日本向けのものなので、なるべく日系ハーフ、または日本人の方、もしくは日本人的視点から見て好ましい容姿の外人モデルを選ばなければいけないという、一種の制限が最初に発生致しました。また、読者の大半は日本国内のモデルを相手にして撮られる訳ですから、日本やアジア市場でのキャリアをお持ちのモデルをなるべく使っていきたいと考えました。
ある一定水準の綺麗なモデル、可愛いモデルはそこら中にいるというのは、大都市ベースで活動するカメラマンの多くが述べる事ですが、このようにプロジェクトの目的に一致するモデルとなると、急激に選択肢が狭まる事になります。まして予算に切迫するプロジェクトが多い今日では、その兼ね合いが優先される事になるのです。
プロジェクトに一致するモデルを得たら、大事な事は、撮影の目的を明確に伝え、事前に納得させる事です。綺麗に、または可愛く撮って欲しいというのは、モデルの一般的な願いですが、それだけでは味気ない事も多いですし、無難にやっているだけでは、モデルの個性を必ずしも引き出せず、インパクトのあるものもなかなか作れません。
このtipsのシリーズの撮影の様に、綺麗にも撮る代わりに、面白い写真や、不細工写真、そして他の色々な失敗写真も撮って、掲載する場合もあれば、某アパレルメーカーの広告の様に、ギョットする面白い表情をビルボード用に大きく撮影し、世界中に掲載する事もあるでしょう。これらをキッチリモデルに説明する義務も、デザイナーやカメラマンの仕事ですし、その撮影の意義を伝える必要ももちろんあるのです。きっちり納得させてあげられれば、モデル達もプロですので、それぞれの案件にプロらしく挑んでくれることでしょう。
さらに、Photoshopが完全にWorkflowに組み込まれている場合、どの程度の処理が行われるかをモデルにある程度の周知させる事も、モデル達と気持ちよく仕事をするための手続きとなりますので、それらのステップをキッチリ踏む事も大事でしょう。
また、クライエントによって、モデルを個性的に撮る方を重視するか、それともどれも似た様な雰囲気に仕上げるかなど、方向性の違い等もありますので、その点も留意する必要があります。
では、次回は少々生臭い、コストの話です。
撮影協力 Model: shima Make: shima Hair: Azu Style: Karen Iseki
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