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tugemiさんインタビュー  
描きたいものがあるから描いている

酉 2005
もともと趣味程度に好きで手描きのイラストを描いていたというfeebeeさん。友達の家に遊びにいったとき、その友達がIllustratorとPhotoshopを持っていて、描いてみたら、これはできるなとその場で直感し、Macとソフトを購入したのが2002年頃。
すぐさまホームページを作って作品を掲載したところ、それが広告代理店の目に留まり、プロとして仕事を始めるきっかけになった。その仕事と同時進行するような形で、さらにIllustratorやPhotoshopを学んだり、展示会に参加したりして、様々なオファーをもらうようになる。幸運なスタートのようにも思えるが、やはり、そこにはアーティストとしてのこだわりがあり、それを絵として表現させるための努力とセンス、そして発表して見てもらいたいというアーティストの志向が強いからこそ、feebeeさん自身の絵として結実する。
「自分の作品を発表してそれを認めてもらうような、そんな形で仕事を続けていきたいんです。というのも、もともと描きたいものがあるから描いているんですね」。
イラストレーターとして、仕事を依頼されるのもありがたいのだが、もっと自分の作品を描いて発表していきたいというfeebeeさん。一方で、デジタルのイラストレーターとしての利点、たとえばFlashに転用して動画のようにするなど、ブログパーツなども興味はあるし、余力があれば関わってみたいという。
画家としての将来像を描きながらも、多方面に興味を持ち、多様に自己を表現したいとする。ただ、そういったことも「完成度の高いオリジナルの絵があってこそだと思っています。だからこそ、自分の作品としての絵にもこだわっていきたい」という。

龍 2003
「和風モダン」なテイスト
feebeeさんの絵のテイストはよく「和風モダン」などと評されることがある。その言葉が、彼女の絵の特徴を端的に表しているようにも思えるが、そのような絵を描くようになったきっかけとは何だったのだろうか。
「もともとはポップやブラックな女の子とかを描いていたんです。それとは別に中学生の頃から浮世絵の写楽の絵が好きで、普通に部屋に貼っていたんです。」
写楽といえば、江戸時代の浮世絵画家としてよく知られた東洲斎写楽のこと。中学生の女の子が写楽の絵を部屋に貼っていたとういことを大まじめに語るあたり、すでに彼女の中で和風モダンの芽が出かかっていたのだろう。
趣味の絵ではポップ、好みは和。それが融合するのはそう難しいことではなかった。その融合が、彼女のテイストの底流を形作るようなブレイクスルーをもたらした。「あるとき洋風な絵も飽きてきて、やっぱり和風かなと思い、そんな女の子を描いてみたんですね。それを見た人からとても評判がよかったんです。でき上がった絵は自分でも嫌いじゃなかったし、それを描いたとき、自分の中で質が変わったという思いが生まれました。ポップな絵はなんとなく軽いという気持ちがあったんですが、その絵を描いたときは魂がこもるというか、絵に対する重みが増したんです」。
しかし、単に「和風モダン」と一言では片付けられない独特のクール感、シャープ感がfeebeeさんの絵から発せられている。それは「顔が今っぽくて、雰囲気が和風」と分析されることにも通じるのだろう。そんなカッコよさの原点は?
「今までも生活とともに、たくさんのマンガやアニメ、モデル、メイクなどを見てきて、整った顔の一番好みの顔があります。そして、昔から変わらないカッコイイもの、それらのイイトコどりをしてまとめたのが、自分の作品になっているんだと思います」。

狛犬〜阿吽〜 2006
 

鯉姫 2003

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