デジタルでの作品制作がIllustratorから始まったため、どうしてもIllustratorによる作業が多いが、Intuos3やPhotoshopをマスターするにつれバリエーションも広がった。
「Illustratorでは、昔はオールマウスで操作していましたが、最近は髪の毛などの細い部分を、より細かく描きたいというときは、Intuos3を使うようになりました。繊細な部分をパスで操作するのはとても難しく面倒です。それで、体の線はIllustratorで描き、それ以降の模様やマスク処理などはIntuos3とPhotoshopで仕上げていくという作業が増えてきました」。 |

Intuos3を操り絵を修正するfeebeeさんは真剣そのもの。絵を書き出すと、いつまでも描き続けてしまうという集中力が、繊細なディティールやテクスチャを生み出すのだろう。 |
デジタルの落とし穴の一つに、表現が機能に引きずられてしまうということがあるが、そのあたりをfeebeeさんはどう考えているのだろうか、またIllustrator、Photoshop、Intuos3、それぞれどのように使い分けているのだろうか?
「Illustratorで仕上げるときれいすぎるという場合もあって、それを少しぼかしたいことがあります。見た人が、何で描いているんだろう? と思ってくれるような雰囲気に仕上げたいこともあるんですね。そんなときはPhotoshopで最終的にノイズや版ズレなどを起こさせるなどの加工をすることもあります。その結果、浮世絵風になったりして作風の幅が広がりますね。今でも、Illustratorで仕上げることもあればPhotoshopで仕上げることもありますが、Illustratorで仕上げるよりPhotoshopで仕上げた方が自分の感覚に近い仕上がりになることが多いかもしれません」。
なるほど。磨かれたfeebeeさん独自のセンスというものがあるのは前提として、機能に引きずり回されないための答えの一つは、複数のアプリケーションやツールを使うことにあるのかもしれない。手描きで絵を描くにしても、さまざまな種類の筆やパレットナイフなど絵の道具にとどまらず、あるいは木片や紙片、指先などを使って絵の具を塗ることもある。それが独特の表現を生み出すのだが、それはデジタルも同じといえる。 |

feebeeさんは、Intuos3の機能をまだ使い切っていないという。左右のエクスプレスパッドなどももっと使い込んでみたいとか。 |