「先輩にはまずグレーを基準に考えなさいと教わりました。特にCMYKでは全版が同じ%でもきれいなグレーになりません。C>M>Yという比率でグレーを追求します。CMYKでは、シアンを下げれば茶色に、マゼンタを下げればグリーンに、黄色を下げれば紫っぽくなります。そういった個々の色の動きで得られる関係を知るために、まずグレーを覚えることが先決だというわけです。色調整をする上では、このような色の理解は非常に重要です。」 小島さんが言うのはいわゆる補色の関係だが、さまざまなものが写り込んだ一般的な写真では、その効果を実感しにくい。ところが、余分な色を排除したグレーを用いると、その仕組みがよくわかる。Photoshopでなら簡単に補色の関係を知ることができるので試してみるといい。試すだけならCMYK全版が同じ%のグレーを作り、トーンカーブでチャンネルごとにカーブを上げ下げすれば、補色の関係を知ることができる。 「今の仕事ではRGBの調整がメインです。RGBはそれぞれの値が同じであればきれいなグレーが表現できます。そしてプリンタもそれをきっちり表現できる機種が多いです。モノクロ写真がとても作りやすくなりましたね。 でも、モノクロ作品って色で見せることができないので「絵づくり」ということでは一番難しくてシビアなんですよ。 モノクロ作品をちゃんと作れるようになれば一人前かな・・・。」
インタビュー中に参考までにレタッチしてもらった画像。顔にかかる髪を消してもらった。 このような場合、サイズの大きなコピースタンプツールを使うと、不自然な結果になりやすい。数ピクセルの小さなサイズに設定した「硬い」コピースタンプツールを利用するのがコツ。肌のテクスチャが保持される。
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