Column


小島勉さんインタビュー  
感性にフィットするデバイス
ペンタブレットやトラックボールにこだわるように、小島さんは「デバイス」にこだわる。その使いやすさこそが仕事の効率を高めるし、仕事の品質を高めると考えているからだ。いや、そんなもっともらしい建前の理由もあるが、根本的に使っていて疲れるようなデバイス、楽しくないデバイスであれば、クリエイティブな仕事などには利用できない(したくない)はずだ。Intuos3が支持される理由は、人の感性にフィットする、それが最大の理由だろう。ペン先を変えられるのもその1つ。小島さんもやはり使い分けている。
「画像の種類によってペン先の異なる2つのペンを使い分けています。イラストなどのハッキリしたマチエールのある画像に対しては摩擦係数の高いフェルト芯、写真などの微妙なトーンが必要とされる画像にはペン先が沈み込むリアルなブラシ感覚のストローク芯です。ペンに合わせてペン先の感触を変えています。」
さらに、Intuos3の両脇にあるエクスプレスパッドも小島さんの感性を刺激した。常時、ペンやトラックボールを操作する右側のエクスプレスパッドはさすがに使えないが、左側には、Photoshopのショートカット操作を効率よく行うためにカスタマイズがなされている。
「左側のエクスプレスパッドには、右手の余計な動きを少なくするため、ブラシ機能をメインにちょっと変わった割り当てをしています。ファンクションキーには「不透明度20%」やブラシサイズの大小を割り当て、トラックパッドには、ブラシの硬さを割り当てています。肌の修整をしたりするのに、ブラシツールやコピースタンプツールを多用するのですが、Intuos3のエクスプレスパッドのおかげで、設定の切り替えがとてもテンポよく行えるようになりました。」

画像の種類によって芯の異なる2つのペンを使い分ける。左(赤)がフェルト芯、右(黄色)がストローク芯のペン。Intuos3は、複数のペンを識別可能だからこそ、このような使い方も可能だ。
 
フェルト芯ではペン先の感触を柔らかめに設定。一方、ストローク芯は、やや固めに設定。
 
エクスプレスパッドも小島流にカスタマイズ。「不透明度20%」は小島さんが最も作業しやすいというブラシツールの不透明度。その他、ブラシサイズの変更や、硬さの変更が割り当てられている。
作業環境のフィッティングにもこだわる

作業環境へのこだわりは、これだけではない。モニタやIntuos3、椅子の高さなど随所にこだるのが小島流だ。
「なるべく手の動きが大きくならないようにIntuos3やその他のデバイスをセッティングしています。平均すると一日10時間くらいは画面に向かっているので、ちょっとしたことでも腕や肩の疲労が軽減すると思います。Intuos3やタブレットの位置に気を遣うだけでなく、ペンやマウスを持ったときに肘の角度が90度くらいになるように椅子の高さを調整しています。またモニタの高さは、目の位置がモニタの上部から1/3程度にくるようにしています。あとはタブレットとキーボードを少しずらしておいて、command+s(保存)がすぐ押せるようにしています。」
弘法筆を選ばず、とはよく引き合いに出される言葉だが、誰もが同じ結果を得やすいデジタルでは、それぞれの個性的な表現を得るために、個性的な作業環境が必要だということを小島さんは教えてくれる。私たちも、もっと遣いやすいIntuos3の作業環境を追求すれば、さらなる表現力を得ることができるかもしれない。


Intuos3とキーボードの位置が少しずれているのがわかるだろうか。このような細かな部分のフィッティングにこだわることが、作業の効率だけでなく、疲れにくさ、そして表現力の向上をもたらす。
モバイルでもペンタブレット
小島さんは、社内の仕事場だけでなく、原画(原本)を動かすことのできない場合などは、現地で仕事をすることもある。その場合、Mac、キャリブレーションモニタ、プリンタなどに加えて必ず持ち込むのが入力エリアがA4ワイドのPTZ-631Wだ。もちろんペンは2つ持参する。出先であっても、普段と同じ環境を再現できるのが重要だと言う。
さらに、冒頭、最近の小島さんは講演などの仕事も多い。その際、MacBookProと一緒にいつも持ち歩くのがBambooだ。
「実は、大手量販店で見つけて、つい買ってしまったんです。ファンクションキーにMac OS Xのユニバーサルアクセスの画面ズームを割り当てています。セミナーなどのデモ中に必要に応じて画面を拡大表示させています。ボタン一発で操作できるので、キーボードで操作するより便利で重宝します。シンプルなデザインも気に入っています。」


セミナーなどで活躍するのがBamboo。画像処理のデモを行うだけでなく、デモ中の画面を拡大・縮小させるための機能をファンクションキーに割り当てている。スムーズなセミナー進行に一役買っている。

[Wacom Intuos3]
Photoshopには欠かすことの出来ないツールであるワコム社のペンタブレット。中でもフラッグシップモデルであるIntuos3は世界中のクリエイターに愛用されているモデルである。
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