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【Photoshop for Movie】  
実写映像にリアルな稲妻を走らせる
(株)スペシャルエフエックス スタジオ 代表取締役
古賀信明
ジョージアのCMで稲妻を走らせるには、独特の方法が使われた。オリジナルは、ジョン・ノール氏が考案した手法だという。ここではその手順を簡単に紹介しよう。
1.ムービーを「フィルムストリップ」で書き出す。

After Effectsからムービーを「フィルムストリップ」形式で書き出す。すると、このように、コマ番号のついた縦長の画像になる(これは、すでに稲妻を合成した後のもの。作業前の画像はもちろん稲妻は走っていない)。


2.Photoshopで開いてウィンドウサイズを合わせる

フィルムストリップで書き出したムービーはPhotoshopで読み込むことができる。その際、開いている作業ウインドウの縦横サイズを微調整してウィンドウのスクロールバーをプレスすることで、画像が流れず、静止するサイズを見つける。こうすると次の1コマが同じ場所にスクロールされ、連続でスクロールするとムービーとして確認することができる。


3.Photoshopで雷や雲を描く
ブラシツールで稲妻や雲を描く。描いたレイヤーを複製し、「ぼかし」フィルター処理をしてなじませたり、図のように「明るさの最大値」に「ガウスブラー」で雷のグローを強調したりする。この走る稲妻のようなラインは、とてもマウスで描くことはできない。よく見ると太さだけでなく、稲妻の白の濃さも異なっている。筆圧をブラシサイズや不透明度に反映させているからだ。このような表現は、アナログな手描きの雰囲気を出せるIntuos3ならではだろう。


4.実写の映像と雷を合成する
黒バックを背景に描いた稲妻や雲は、After Effectsに読み込み、実写と合成すれば完成だ。

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古賀信明