Photoshop world Column
タツノオトシゴに見たクリエイターのあるべき姿
テキスト・鈴木 ロウ トーマス
ご存知の方はご存知なんですが、タツノオトシゴを飼っています。種類は、イバラタツノオトシゴ。もう、2年ほど経っています。


[タツノオトシゴは、環境にウルサイ]

まず、水流に弱い生き物だってことは、体を見ると分かります。推進は耳の後ろのヒレと、背ビレだけ。ただ、水槽という小さな環境では水量を回していないと水が濾過されず、アンモニア、リン酸、ケイ酸、亜硝酸など毒素が増えてしまう。

次に、水温。22度以下でキープしないと体力を消耗してしまいます。通常の水槽だと25度前後で平気なため、夏場はファンを回せば済むのですが、タツはそれを許してくれない。外部式のクーラーを使います。そうすると、クーラーからは70度ぐらいの熱風が常に出ていて、当然部屋の中の温度・湿度が上がり、そして水温に影響する。

室内エルニーニョ現象…。結局部屋もエアコンで冷やしています。

[タツノオトシゴは、待ち伏せ]
エサは、本当は活きエサ(小型のエビ等)がいいのですが、うちでは冷凍イサザアミエビで慣らしています。水槽にエサを入れると、タツは「ジー」とそれを見つめますが、決して自分からは向かってこない。流れに乗って自分の前を通るエサを食べます。(タツに嫌われてるワケではありません。手を水槽に入れると、ちゃんと指に絡んできたりします。)

とにかく自分からはエサを捕まえないタツは、誇り高き生物。

[ところが、コミュニケーション論を熟知している!!!]
持論ですが、「コミュニケーション」に一番長けているのは、テクノロジー屋さんでもネットワークインフラ屋さんでもメーカー屋さんでも広告代理屋さんでもないと思います。ズバリ、クリエイターだと思っています。

だって、そうでしょ。ツールがなんであれ、メディアがなんであれ、メッセージそのものを創ってるのはクリエイターでしょ?我々はひょっとして、「クリエイティブ」って言葉に固執するあまり、「コミュニケーション論を最も分かっている人たち」って自覚を持っていないのではないか。

と、タツ達に教えられました(気がする…。)

●注1:今回も鈴木ロウ トーマスのコメント/スタンス/趣味/使用機材等はPhotoshop worldの意見・見解・オススメ等を反映したものではなく、あくまでも本人の責任において書かれているものです。
 
 

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