緑色にペイントされた自作の本棚に、ぎっしりと並ぶ国内外の写真集。山積みになったネガボックスと、オールドスクールな現像機…。突然の雷雨が東京をおそった5/15日、秘密基地のような写真家・中野正貴氏の事務所に、Power
Mac G4がセッティングされた。「パソコンも使わないし、Photoshopは使ったこともない」という中野氏が、ついにPhotoshopに初挑戦する。本誌編集長を講師に迎え、「50代からはじめるPhotoshop講座」が幕を開けた。
大学時代はグラフィックを専攻していた中野氏。「Photoshopも、きっとはまればやるはずなんだけど…」。それもそのはず、2000年に出版したキューバの写真集『CUBA
Dia y Noche』(求龍堂)では、1枚10時間以上もかけて、完全にアナログな手法で画像合成している。その熱量たるや、やりすぎてボツになった作品が続出するほど。ワンカットずつマスクを切りながら、印画紙に手書きでレイアウトを書き込み、カットごとに時間を変えて投射していくという気の遠くなるような作業だ。「でも人に見せると、どうせ合成でしょって言われるんだよね。ちがうのにな〜(涙)」