Column
Photoshop world Reportage
  アーティストが作品を作るとはどういう事なのか。思考し、作り上げ、表現する。その姿を追ったドキュメント「Photoshop wrold Reportage」。今回のアーティストは写真家・中野正貴。50代にして初めてPhotoshopに挑戦する姿を追う。  
  中野正貴  
vol.5 「50代からはじめるPhotoshop講座」 - [プリント編]
 
         
テーマ
今回はプリント時の基本的な注意点を確認。詳細な設定はTIPSコーナーでも紹介するので、こちらもチェックしてください。

1.カラーマネジメントとは?
モニタ上で調整した色と実際にプリントした時の色味が違ったら、今までの作業が水の泡です。そんなことがないよう、デジカメ、スキャナ、モニタ、プリンタ等の機器間で再現される色を統一的に管理することを、カラーマネジメントといいます。

2.カラーマネジメントしてプリントしてみる

Photoshopはカラーマネージメントに対応しているので、これを利用して、モニタと近似した色でプリントすることができます。

(1)「ファイル」から「プリントプレビュー」を選択。

(2)プリント画面の下欄で「カラーマネジメント」を選択し、「ドキュメント」をチェック。

(3)この設定が難しいのですが、ここでは一例として「オプション」の「カラー処理」は「Photoshopによるカラー処理」、「プリンタプロファイル」には用紙に合わせて「Canon PIXUS 9900i PR1」を選択。

(4)マッチング方法は、写真をプリントするには、自然な快調を再現する「知覚的」がおすすめです。


3.プリント時の注意
プリント時のカラーマネージメントには、アプリケーション(この場合はPhotoshop)側で行うケースと、プリンタ(ドライバ)側で行うケースの2種類があります。今回は、アプリケーション側、つまりPhoshotopでカラーマネージメント処理を行っています。この場合、プリンタのカラーマネージメント機能や色補正機能は使いません。プリンタドライバの「プリンタのカラー調整」をオフ(色補正なし)にしてください。これをオフにしないと、Phoshotopからの色変換情報とプリンタの色変換情報で2重に色変換がされてしまい、色が大きく転びます。注意が必要です。

Nakano's comment
色補正した写真をプリントしてみると、「青がちょっと強いですね」(編集部)。「(モニターでは)だいぶ青くしたからね。そうすると、モニターとプリンターがあってないってコトなのかな?」(中野氏)。というわけで今度は設定を変えて再度プリント。「ちょっとネムイですか?」(編集部)。「うん、コントラストを弱くしているからね。でもPhotoshopを始めることにした究極の目標は、写真を印象派の絵のような色調に持っていくことだから。結構いいんじゃないかな」(中野氏)。
さて、「50代からはじめるPhotoshop講座」はここでいったん終了。駆け足で学んだ今回の講座でしたが、Photoshopと出会った中野氏の作品がこれからどう変化するのか?年内発売予定の写真集にも本講座で学んだことが活かされるはず(?)なので、今後の活動にご期待ください!

end.
 
 


 

 
中野正貴  
中野正貴:
1955年、福岡県生まれ。写真家。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン科卒業。写真家、秋元茂氏に師事。1980年頃より雑誌表紙、各種広告撮影を手掛ける。2001年、写真集「TOKYO NOBODY」で日本写真協会賞新人賞を受賞。2005年、写真集「東京窓景」で第30回木村伊兵衛写真賞を受賞。「TOKYO NOBODY」で、東京という世界有数の大都会をまったく無機質で虚無な人口物の集合体として表現し、「東京窓景」はそんな東京にささやかな温かみを与えた作品となっている。

>>www.artunlimited.co.jp/nakano/

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