【Photoshop for Graphic】
グラフィック制作編 Adobe Illustrator 編 Corel Painter 編
グラフィック制作編
Photoshopでラフスケッチ
海津ヨシノリ
Photoshopといえば名称のように写真画像処理に使うことが一般的ですが、イラストを描くことも当然できます。ただし、普通にリアルに描いてもつまらないので、もっともPhotoshopらしくないラフスケッチ風の描画テクニックについて整理してみました。なお、この方法は写真画像などにも応用できる手法です。
●三段重ねのレイヤーの秘密が
まず重要なのはストレートに描画しないということです。最初に適当なテクスチャーの画像を用意します。パターン塗りなどで作成しても良いでしょう。あるいは必要に応じて素材をデジカタルカメラ等で撮影しても良いかも知れません。

作例で利用した【図01】は、Photoshopのドライメディアブラシの中にある「パステル(粗)」に使われている「BurlapPP」です。次にレイヤー構造を【図02】のように背景とテクスチャーパターンの間に新規レイヤーを作成し、あとはひたすら描き込みます。ちなみに一番上のテクスチャーパターンのレイヤーの描画モードは【ソフトライト/不透明度=100%/塗り=100%】に設定しておきます。ただし、テクスチャーパターンによっては【ハードライト/不透明度=100%/塗り=100%】としてから適宜不透明度を下げて画面のイメージを調整して見てください。次にブラシですが、出来るだけドライメディアブラシ等のテクスチャーを含んでいるものがよいでしょう。ここではテクスチャーパターンと同じテクスチャーを利用しているドライメディアブラシの中にある「パステル(粗)」を利用しました。また最初は大きめのブラシで不透明度を30〜40% 程度で描くと、クロッキー帳にパステルで描いているような感じで描けます。
【図01】
適当なテクスチャー画像を用意。
【図02】
背景とテクスチャーパターンの間に新規レイヤーを作成して描き始める。
●黙々と描く
下準備が出来たらあとは描くだけです。自信のない方は下絵を背景に持ってきて、なぞってもいいかもしれません。重要なのはレイヤーを十分に活用し、少しずつ描くこともPhotoshopなら可能であるという点です。まず【図03】のように大雑把に輪郭を描き、その下に新規レイヤーを作成し、【図04】のようにキャラクターの内側を塗りつぶします。続けて【図05】のようにそれ以外の部分も塗りつぶします。なお、本来の背景レイヤーはよほどの事がない限り手つかずで残しておきます。こうすることで新規作成した背景レイヤーの不透明度を調整して一気にイメージを変更させることが出来るからです。
【図03】
リラックスして好きなように描き始める。
【図04】
輪郭スケッチの下に新規レイヤーを作成し、とりあえず塗りつぶす。
【図05】
実際の背景レイヤーは使わずに【図04】の塗りつぶしレイヤーの他の背景部分を塗りつぶす。
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  海津ヨシノリ   2007.12.29