【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「後編 1」
稲垣 英徳
円周魚眼レンズを使う

「円周魚眼レンズ」の撮影のアプローチは大まかに3つ程度に分かれます。

1.全天撮影を行ないます(展開を目的とした物も含め、こちらが最も本来の設計目的に沿った物です)。
【写真4】
全天撮影タイプのアプローチの例。展開してワンショットパノラマにする事も出来ます。
本来のルーツである学術撮影や、それに準じるパノラマ撮影は、略垂直に天頂方向に向ける撮り方が主ですが、天体観測撮影やその他の撮影では、例え三脚使用中でもある程度角度を持たせる事も多いです。最も顕著な例は、北極星を天頂に見立てて撮影する物でしょう。

日中撮影の多くの場合は太陽の位置などが影響します。写真の様に、一方の地平線に太陽がある場合、必ずしも垂直に立たせる事は意味がある訳ではありません。また手持ち撮影で完全な垂直を維持するのは難しい事から、予めある程度意図的に角度を持たせたりもします。太陽の位置によっては、魚眼レンズに多い筒内での乱反射や天頂近くのエリアの極端な白飛び等が発生するため、その場合はある程度大きく角度を付けるとよい事もあります。
【写真5】
太陽の位置の関係から非常に盛大な白飛び、及び各種の問題が発生している例。
略垂直に問題無くカメラを向ける事が出来た場合、展開は比較的単純な作業であり、Photoshop上で、簡単にアクションを組んで展開する事が出来ます。
但し、角度を持たせて撮影した場合は補正が難しいので、スムーズに作業するためには専用ソフトのフィルターが必要なこともあります。一般的理解としては、後からPhotoshopを使って展開する場合には、垂直+-2度程度の範疇に抑えて撮影するとよいでしょう。

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  稲垣 英徳   2007.07.20