【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「後編 1」
稲垣 英徳
3.内接する四角を使用する画面、又は用紙比率に基づいて切り出す「対角魚眼レンズ」に準じる使い方。

こちらは「円周魚眼レンズ」を「対角魚眼レンズ」の様に用いる方法です。FOV1.5倍または1.6倍のカメラで直接マウント出来るレンズを使用する場合は、今時点では、この方法しかありません。
【写真8】
現在の魚眼レンズの一般的な使用方法の一つです。インドア撮影では写真の様に、魚眼の広い視野を上手く使う方法などがあります。
「円周魚眼レンズ」を使用している場合、使用出来るデザインのレンズならば、テレコンバーター等を使用して「対角魚眼レンズ」化して使うか、撮影後にPhotoshopでトリムするかのどちらかを選択します。筆者の場合は、後者の事が多いです。
円周魚眼レンズは少ない

現在のデジタルカメラで使える「円周魚眼レンズ」は、限られた選択肢しかありません。正統派のアプローチとしては、MF若しくはAF円周魚眼レンズ+フルセンサーサイズのDSLRカメラを用いる(Canon EOS5D及びEOS 1DSシリーズなど)方法がありますが、多くの商用用途が当てはまる撮影で「円周魚眼レンズ」を用いる物では、魚眼コンバージョンレンズを用いる(メーカー純正、及びRaynoxブランドのレンズなど)方法が一般的です。
2007年現在では、1980年代迄に設計された多くのMF魚眼レンズを除けば、筆者が現在使用しているSIGMA 8mm F3.5 EX DG Circular Fisheyeは、AF SLR用の交換レンズとしては、現在唯一の「円周魚眼レンズ」となっていますので、民生用の製品の選択肢の少なさがわかります。
対角魚眼レンズとは
【写真9】
「対角魚眼レンズ」は、主に魚眼の効果を楽しむためのレンズとも言えます。
現在の一般的なDSLR用魚眼レンズの主流は「対角魚眼レンズ」でしょう。
これはセンサー面がイメージサークルに内接する様に焦点距離を合わせた物ですから、フルセンサーのカメラでの焦点距離は15〜16mm程度です。FOV1.5X又は、FOV1.6Xのカメラでの最適な焦点距離の数値は、10mm前後となります。
同じく、FOV2Xであるフォーサーズ規格では、8mm程度の焦点距離が最適です。

近年では、FOV1.5Xや FOV1.6X、FOV2Xに対応したAF対角魚眼レンズがレンズメーカー等からも色々発売されているため、「円周魚眼レンズ」に比べると選択肢が多い事も魅力です。
魚眼レンズの効果を楽しみたいだけのカジュアルなユーザーには、撮影後にトリムなどの色々な作業の必要な「円周魚眼レンズ」より、「対角魚眼レンズ」の方が使い勝手が良く、センサーのピクセルをムダにしないというメリットもあります。
【写真10】
魚眼レンズの画角の広さを使った描写の一例です。あまり魚眼レンズを使っている感じがしませんね。傾斜がある丘の上から魚眼レンズの歪みを利用して撮影したものです。本来、通常の広角レンズでは下の方が捉えられないのですが、下の方に人が集まっているのを上手く捉えています。
補正処理等を必要とする撮影において、「対角魚眼レンズ」が得に優れているとは言えませんが、 魚眼の面白さを楽しむためには良い物です。

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  稲垣 英徳   2007.07.20