一般的な低〜中規模予算の商業撮影の場合は、クライエントもしくは、スタイリストの方が色々モデルさんの衣装に合わせて調達する事になりがちで、大抵の商店やカタログの撮影においては、店舗で扱う売り物などを小物や衣装として身につけて撮影に挑むこととなります。
少なくとも、店舗がそれらの商品を正規の小売り販売店の契約を結んで扱っている限り問題はないのですが、例えばデザイナーブランドの多くは、商標権などの扱いにおいて複雑なガイドラインがあることが多いのです(ショップ独自の撮影を正式に許可した場合など)。それに沿わない使い方を行った場合はトラブルになりやすいことがあります。そのため、それぞれのブランドの扱いなども本来はかなり注意して行うべきものなのです。クライエント側が今まで黙認されていたから大丈夫という風に説明する事もありますが、黙認と正式な承認とは法的には天と地ほど差がありますので、そのようなリスクを負うべきではありません。
また、一般論ではありますが、使用する衣装や道具の販売を目的としない、通常の撮影の道具として使用する場合は、基本的には商標等が明確に判らないように撮る、または撮影後に処理する必要があります。商標権の侵害としてどの様な理由で訴えられるかわかりませんし、なるべくその様なことは避けたい物です。これがプロップ用に加工された物を買ったり、撮影後にPhotoshopで処理したりする理由です。
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