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【Photoshop for Graphic】  
画像合成のスーパーテクニック

海津ヨシノリ
5.人物・ソファーとフローリングを馴染ませる

人物レイヤーの描画モードを「乗算(不透明度=100%/塗り=100%)」とします【図15】。さらに人物のレイヤーを複製し、人物とソファーの選択範囲を縮小したレイヤーマスクを作成して、描画モードを「通常(不透明度=100%/塗り=100%)」とします【図16】。これは、自然な合成結果を得るための工夫です。
なお、重なり部分の合成でレイヤーマスクを利用する場合は、タブレットを使用し、大きめのブラシの不透明度を10〜30%として使うと自然な感じに仕上がります。もちろんエッジ部分は小さいブラシを使いますが、この場合も不透明度は10〜30%ぐらいで数回描くように処理をするときれいに仕上げることができます。
【図15】
【図16】
人物のレイヤーの描画モードを「乗算(不透明度=100%/塗り=100%)」とする。 選択範囲を縮小した人物の画像を複製し、「通常(不透明度=100%/塗り=100%)」とする。
以上の作業はかなりデリケートな処理ため、この一連の処理を拡大して説明しましょう。人物をマスキングをした状態が【図17】です。ここで【図18】のように描画モードを「乗算(不透明度=100%/塗り=100%)」とします。次に【図18】のレイヤーを複製し、レイヤーサムネールをcommand+クリック (Windowsは Ctrl+クリック)して得た選択範囲縮小し【図19】、さらに「境界線を調整」で縮小【図20】してからレイヤーマスクを作成します。
あとは、描画モードを「通常{不透明度=100%/塗り=100%)」にすれば完成です。このように二重合成で輪郭部分の曖昧さをカバーすることができます。下層に配置した乗算のレイヤーの不透明度などを状況に合わせて調整するとよいでしょう。
【図17】
【図18】
選択範囲を利用して人物の画像をマスキングした状態。 【図17】のレイヤーの描画モードを「乗算(不透明度=100%/塗り=100%)」として乗せる。
【図19】
【図20】
「選択範囲」→「選択範囲を変更」→「縮小」で1ピクセルほど縮小する。 さらに「選択範囲」→「境界線を調整」で半径とぼかしを図のように処理する。
【図21】
【図22】
選択範囲を縮小してぼかした処理後の境界線はこのようになる。  
ここでソファーの欠けている部分を調整します。処理そのものは今あるデータの中から調達します。まず【図13】のように調整したい部分に近い部分を選択範囲としてからcommand +J(Windowsは Control+J)で複製を作成します。あとは元画像とのバランスを見ながら【図14】のように不足部分を覆い隠すように複製を移動させてから、複製の輪郭部分をレイヤーマスクで調整して馴染ませます。ここで、ソファーの追加レイヤーと元画像を結合します。結果としてレイヤーマスクは消滅します。
【図23】

複製したレイヤーの描画モードを「通常(不透明度=100%/塗り=100%)」で乗せた状態。


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