Column
Photoshop world Reportage
     
  Joe Satake [Schnabel Effects]  
vol.1 [はじめまして!サタケさん!]
 
       
【7月某日晴。Schnabel Effects のアトリエを訪問。「おじゃましま〜す! サタケさん!」】

気づけばもう7月。サタケさんとの最初の打ち合わせから、だいぶ時間が経ちました。その間メールで頻繁にやり取りが行われ(下のウサギは、サタケさんがメールに添付してくれたお土産です。なんと毎回ウサギのポーズやコメントが違う!ラブリーすぎます、サタケさん!)、今日はサタケさんのご自宅兼アトリエでギョウザとオリジナルアートブックの上がりを確認する日です。

初夏の心地よい日差しの中、世田谷の住宅地を進んでいくと、テニスコートからパコーンッ、パコーンッとボールを打つ音が聞こえてきます。地図を片手にテニススクールBGM を聞きながら、アトリエ付近をのんびり歩いていると、サタケさからお電話が。

SE「ども。サタケです。今どの辺ですか?お迎えにあがります!」

PW「いやいやそんな、もうすぐ着きますので、大丈夫ですよ」

と、新橋のサラリーマンのように「いやいや、そんなそんな」と言い合っているうちに、サタケさん、ケータイ片手に小走りで迎えに着てくださいました。
SE「ささ、どうぞ、狭いところですが。散らかっててすいません」

PW「いやいや、きっちり整理整頓されているじゃないですか(サタケさん、几帳面なんだな〜)」

SE「いやいや。今日は取材があるんで、昨日知人に手伝ってもらって大掃除しました」

PW「これ、つまらないものですが(と言ってお土産の水ようかんを差し出す)」

SE「ああ! すいません、実は私も用意していたんですが…。プリン、いかがですか?」

PW「プリン! ? お気遣いなく! でもせっかくなのでいただきます(笑)」
本命ではないプリンと、取り出しにくい水ようかん…。でもおいしかったです!

と、互いのお土産を広げ、いきなりお茶飲み話がスタート(結局こうなります)。お土産にはかなりこだわりがあるというサタケさん。知る人ぞ知る市井の名店(お店情報は写真から推測してください)のものだというプリンを出してくれました。
SE「(プリンを食べていると突然)実はこれ、本命ではないんです」

PW「???」

SE「本命は事務所の方に送らせていただきました(ニヤリ)」

PW「ええ? そんな! ありがとうございます。でもこのプリン、とても美味しいですが…」

SE「ちがうんです。お土産のポイントは脱力感なんです(キッパリ)」
PW「??????」

SE「事務所で見てみてください。開けたとたん、グッタリきますから(ニヤリ)」

PW「?????????」

SE「私、お土産を結構買うほうなんです。感覚的にはもうミーハーなOL さんに近いと思います。でもここのお店のお土産は、私が知ってる中でもかなりグッタリ脱力する方だと思います(エッヘン)」

PW「????????????」

お土産を語るSchnabel Effects
 
お土産マスター・サタケ師匠を前にして、水ようかんというセレクトは甘かったかなと思いつつ、ひとしきりお土産レクチャーを拝聴。しかも持参した水ようかん、容器からの出し方がいまいち分からず、サタケさんに台所で悪戦苦闘させてしまうというなんとも恐縮な事態に(サタケさん、すいませんでした)。  
後日事務所には、サタケ師匠セレクトによる脱力土産が到着(写真参照)。

「か、かわい〜!」とふんにゃり笑顔になっている自分に気づき、「こ、これが師の宣う“脱力” の極意だったか!」と、しみじみ頷くのでした。総じてお茶飲み話になってしまった第1 回目のルポルタージュですが、次回からはサタケさんの、いや、Schnabel Effects の知られざる過去に迫りますので、どうぞお楽しみに(というか、ご心配なく!)
 
これが事務所に届いたサタケさんからの本命お土産。幼稚園の頃、こんなパッケージのラムネをおやつ時に配られたような…。なんとも平和な気持ちになりますね

to be continued.
 
 


 

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佐竹 穣
 
佐竹 穣:
佐竹穣(77年生まれ)。2002年よりSchnabel Effectsとして活動。イラストレーター、アーティストとして雑誌、ファッション、インテリア、音楽、広告などのアートワークを幅広く手掛ける。国内外の展覧会にも多数参加。

>>schnabel-effects.com



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