Column
Photoshop world Reportage
     
  Joe Satake [Schnabel Effects]  
vol.1 [はじめまして!サタケさん!]
 
       
【5月某日雨 アートシーンの奇才、Schnabel Effects 登場。「はじめまして!サタケさん!」】

初めての打ち合わせの日です。サタケさんには、コラムページで連載中の「ORGONIC ∞ GRAPHICERS#05」にも一度ご登場いただいているのですが、その時はお会いする機会に恵まれず、スタッフ一同今回が初の顔合わせとなりました。
打ち合わせの時間ちょうどに現れたサタケさん。サラサラの髪にクリリとしたお目々、ニコニコ笑顔でなんとも優しそうな好青年です(失礼)。その作風の幅広さから、「どんな方なのかな〜?」と多少不安に思っていたスタッフも、思わずサタケさんにつられてニコニコ。一気に和んだ空気の中で、笑い声の絶えない打ち合わせがはじまったのでした。
Photoshopworld Staff(以下、PW)「サタケさんは、雑誌、ファッション、インテリア、広告などのアートワークを幅広く手掛けられてますが、現在は主にどんな活動をされているんですか?」

サタケさん(以下、SE)「そうですね、この2 年位はインテリアや内装をメインでやってますね。あとはファッション誌がたまにある程度です」

PW「内装というと、サタケさんはどんなところを担当するんですか?」
SE「表参道にあるメンズファッションジュエリーのお店『SJX』や、代官山の『DIESEL DENIM GALLERY』では、ディスプレイや家具なんかですね。1m以上のシルクスクリーンを複写するんです。あと変わったところだと、」クルーザーにシルクをやったこともあります」

PW「クルーザーってあの海で乗るクルーザーですよね?」

SE「そうです、あのクルーザーです。いるんですよ…、その…、なんというか、オシャレで遊び方も豪快なチョイワルセレブの方々が…。そういう方たちは、こういうのをプレゼントされたりするんです」

PW「むう、まったく知らなかった世界です(笑)。すると、今はショップやそういうカスタムペイント的なことをされることが多いんですか?」

表参道ヒルズ内メンズファッション
ジュエリーショップ『SJX』
SJX Omotesandohills/shop interior artwork/2006
CL=STAR JEWELRY ID=GLAMOROUS Co.,LT
SE「ん〜…。クルーザーはそれ以来やったことないですけど…。メインでやっているのは、GLAMOROUS Co.,LTD. のクリエイティブディレクター、森田恭通さんとのお仕事になるので、今はショップというより個人のお宅が多いですね」

PW
「個人宅のインテリアにシルクスクリーン! それっていわゆる絵画的なものというわけではなくて…」

SE「クローゼットやテーブル、柱などにシルクを刷るわけです。点数も多いし、大きいものなので、毎日寝ないで働いております(笑)」

SE「基本的に個人宅なので難しいんですが…。今建設中の●●●●さん(オフレコです。あしからず)のお宅なら、ちょっとは見ることができるかも知れません」

PW 一同「見た〜い!!!!! 見た〜い!!!!! 見た〜い!!!!!」

SE「もちろん確認してみないと分からないんですが(苦笑)、作品がある部屋だけとかなら可能性はありますよ」

PW「すいません、がっつきすぎちゃいました(汗)。もしご迷惑でなければ是非お願いいたします!」

代官山の『DIESEL DENIM GALLERY』で行われたエキシビジョン。
wMarrons Glacesx@DIESEL DENIM GALLERY DAIKANYAMA / exhibition / 2005
普段私たちが触れることのない、あんな話やこんな話が飛び出した今回の打ち合わせ。スタッフはサタケさんの軽妙なお話に、ミーハー心全開で食いつきっぱなし。「そんな世界もあるんですね〜」とため息をつきながら、気づけばあっという間に2 時間半が経っていました。あれもこれも、みなさんにすべてご紹介できないのが残念ですが、もしかしたら「お宅拝見潜入レポート」が実現するかも知れません! コチラも是非楽しみにしていてください。

さて、「あ〜、楽しかった!」と一同笑顔で幕を閉じるところでしたが、大事なことを忘れるところでした。そうです、ギョウザとオリジナルアートブックのことを全然話してません…。
PW「サタケさん…、ギョウザとオリジナルアートブック、何かいいアイディアはございませんか?」

SE「そうですね、ええ。どうしましょう? なんでも言っていただければ、やりますので…」

一同「……」

PW「では…、発行がちょうど夏真っ盛りなので、ここはひとつ納涼の意味も込め、“ゾンビ”なんてテーマはいかがですか?」

SE「ゾンビ! ステキです! オッケーです! じゃあこれはシルクスクリーンで(即答)」

PW「おおお(歓声)! ありがとうございます。ではギョウザの作りおろし作品はゾンビでお願いします。オリジナルアートブックもシルクで考えますか?」

SE「ゴソゴソ…ゴソゴソ…(アートブック用の束見本をながめながら、おもむろにハガキの束を取り出す)」

PW「それはなんですか? ポストカードのようですが?」

SE「1900 年代初頭のフランスの古いハガキです。私、こういうのいっぱい持っているんです。もう部屋がいっぱいになるくらい」

PW「(ハガキを見せていただきながら)おもしろい色調のハガキですね。ではオリジナルアートブックの方は、このハガキを使ったものということにしましょう! 」
 
というわけで、もはや止まらないお茶飲み話と化していた打ち合わせにやっと終止符が打たれ、サタケさんには早速制作に入っていただくことになりました。
「ゾンビ」と「ハガキ」というテーマをサタケさんがどのように料理するのか? 全く予想できないだけに期待は高まります。

次はサタケさんのご自宅兼アトリエで取材をさせていただくことになり、本日は一同解散。
   

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