意外なサブカルチャーがベースだった少年時代と
美術予備校を10件ハシゴした受験時代。 |
Photoshopworld Staff(以下、PW)「サタケさんご出身は?」
サタケさん(以下、SE)「京都です」
PW「小さい頃はどんなお子さんだったんですか?」
SE「いや、もう、ふつ〜の。普通のこどもでした」
PW「絵は、昔から描いていたんですか?」
SE「いえ、描いてないですね」
PW「(こども時代は)どんなことに興味があったんですか?」
SE「う〜ん、京都にはですね、古本屋がいっぱいあるんですけど、そこがまったくオシャレじゃないんですね。そういうところに行って、みうらじゅんや大島渚、寺山修司なんかを読んでました。みうらじゅんは網羅してますね(笑)。全然オシャレじゃないんです…」
PW「それ、結構意外でした(笑)。サブカルチャー的な下地があったとは…。というのも、サタケさんの作品からは女性的な美しさというかセンスというか、ファッション的なオシャレ感も感じていたもので」 |
SE「いやいや…、でも古い雑誌は集めてました。
雑誌は昔から好きでしたよ」
PW「雑誌というと、サブカル的なものではなくて…」
SE「昔のVOGUE なんか大好きですね。高校生ぐらいの時はよく読んでました。70 年代のアメリカのVOGUE とか」
PW「その頃は漠然と気に入ったビジュアルを眺めるだけだったんですか? 美大に進学するきっかけになったものとかはあるんでしょうか?」
SE「私は高校時代、フェンシング部だったんですけれど、両親の知り合いに陶芸家の方なんかもいらっしゃったんでなんとなくそういう方向っていいなぁ、と」
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古い雑誌ラックには今をときめくファッション&カルチャー系の雑誌がズラリと並ぶ |
PW「そうすると育った環境の中に、身近にアート的なものがあったんですね。それで美大へ行くことに?」
SE「そうですね、“美大” という響きがいいなと。なんかオシャレな感じがするじゃないですか(笑)。そのなかでもおシャレな多摩美のグラフィックに行きたいな、と(笑)」
PW「たしかにオシャレですね(笑)。受験は一発で受かったんですか?」
SE「まさか。1回落ちて、予備校に行きました。だから私、京都の美術系の予備校はほとんど網羅してますよ」 |
PW「予備校を網羅ですか???」
SE「そうですね、10件くらい行きました」
PW「え??? 予備校10件ですか???」
SE「はい。行ってはみるけど続かなくて。でも大学に入ってから京都出身の人に会うと、だいたい予備校の同級生なんですね。なんせ網羅してますから(笑)」 |
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PW「予備校を10件ハシゴですか…。なかなか出せない記録ですね。でも予備校に行かなかったというと、デッサンや基本的な技術はどうやって身に付けたんですか?」
SE「石膏像、自分で買いましたね。家に石膏像があると、安心するじゃないですか」
PW「(笑笑笑)。受験生活の精神安定剤が、自宅の石膏像だったと」
SE「それでまあなんとかまぐれで多摩美に入れて、東京に出てきたんです」 |

きちんと整理された資料の数々。昔から印刷物フェチで、古い海外の雑誌や書籍は、『とりあえず見つけたら買います』状態。1年に1回は大量処分しないと部屋が埋まってしまうほど。 |

某雑誌の企画で作ったというキラキラうさぎケータイ
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