【Photoshop for 3DCG】
基本編 Autodesk Maya 編
Autodesk Maya 編
Texture Mapping 基本編
北田 栄二
<はじめに>
今回は第1回目ということで、昨年行われた“PhotoshopWorld2006”で講演した内容を元に講演では語りきれなかったTextureMappingについて、さらに掘り下げて考えていきたいと思います。

まずはAutoDesk Mayaを使い図1のようなモデリングを用意します。(図1参照)
今回はTextureMapping基本編として、Photoshopを使ってテクスチャーを描くにあたり必要な、大まかな流れを述べていきたいと思います。
また、モデリングも複雑で細かい物ではなく図1のような機関車の一部に似せた簡易的な物を用意しました。

【図1】
まず、フォトリアルな絵を目指すためのモデリング、テクスチャー制作において、重要なポイントを幾つか述べたいと思います。

1. 物をよく観察する。(自分の引出しを増やす)
2. 想像だけで作らない。(必ず、見本になるような素材を用意する)
3. 出来れば写真やインターネットだけで素材を集めるのではなく、自分で素材を撮影する。
 (もしくは、自分で足を運んで実物を見る。実物を触る)
4. CGらしさを無くすため、わざと“ひずみ”や“ゆがみ”、“乱れ”を加える。



1.
当たり前のことですが、物をよく観察する。物を一つ作るにしても、色々な情報が必要になります。普段から当たり前のように、色々なものを観察してください。街中のタイル、ガラスの映りこみ方、アスファルトのシミ、鉄の錆び方、汚れ方。普段から注意深く物を観察することで、自分の引き出しを増やすことが出来ます。普段から自分の引出しを増やす努力をして下さい。物を作るうえで、“見る、観察する”という行為は非常に重要です。


2.
1と共通することですが、制作に入る前に、自分がイメージする物、自分が作る物に近い素材を多く集めましょう。想像だけで作ると、どうしても“嘘の絵”になってしまいがちです。物によっては、自分が思っている以上にスペキュラー成分が強かったり、思っていた以上に映り込んだりすものです。必ず作る前に、見本となる素材、写真を集めてください。(図2参照)

【図2】
図2の素材は、僕自身が世田谷公園や京都の梅小路に実際に足を運んで撮影してきた素材です。制作する上で、実際に見たり、触れたりすることは非常に重要なことです。出来る限り、自分で見たり、触れたりしてみてください。

3.
2で集める素材、写真は出来るだけ自分の目で見て、自分の手で触れる状態で集めるのが良いです。集められない高価な物や、海外でないと見れないような物以外は、出来るだけ自分の目で見て、自分の手で触れてみてください。出来れば、普段からコンパクトなデジタルカメラを持ち歩いているといいですね。「これ!!」っと思った素材を見つけたときに、写真として残しておくことが出来ますから。また、色々な写真をストックしておくことで、自分自身の引出しを増やすことが出来ます。これと思った素材を発見したときは、写真として残しておくことをお勧めします。


4.
現実の世界ではCGのような完全な直線、曲線は存在しません。そういった“違和感”をなくす為に わざと図4のような“ひずみ”“ゆがみ”リベットの“乱れ”などを加えることで、説得力を増すことが出来ます。(図3参照)

【図3】
4に関しては、1のように普段から物をよく観察していれば必然的に身につく技術です。


上記4点が、僕がCG制作を行う上で心がけているポイントです。
そうしたポイントを踏まえた上で、Texture制作についても述べていきたいと思います。
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  北田 栄二   2007.10.01
 

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