猫との間合い
さて、良く懐かせる事に成功した飼い主は、好きな様に飼い猫に接近出来ますが、 当日に撮る事になったカメラマンの場合、そう簡単に猫には接近出来ません。
大抵は、1〜2時間、お互いに慣れる努力をする事になりますが、
顔見知りの猫で、餌を与えたり、遊んだりして居た関係なら兎も角、
見知らぬ猫に対して接近するのは大変なのです。
この写真は、階段の上から見下ろして貰って、心理的に向こうが安心出来る距離で在る、数m以上の直線距離を保って撮っています。決めポーズにはなりにくいですが、取りあえず慣れて貰うのには有効です。
勿論、動物好きの筆者も含めて、動物に直ぐ好かれる人と言うのは居ます(動物撮りを仕事でされる方の多くは、その能力に長けている方達とも言えます)ので、そう言う人はより簡単に色々な動物に接近出来ますが、
大抵の人は、所謂防衛本能が働く範囲内で何か猫にとっての異常行動をとるのは難しいのです。
スタジオでの猫撮りに始めて挑んで見た人が、時間内に撫でさせても貰えなかったと言う失敗話しも在る訳です。
厄介な事に、人間も含めて生き物の撮影の基本は目にピントを合せる事である以上、レンズは目に向けられます。 撮影に良く使われる様な大口径のレンズは、人間でも一瞬緊張する物ですので、猫には慣れが必要となります。
大体、どの生き物も、自分の目より大きい口径のレンズを向けられると緊張する為、猫もレンズ等を向けられと言う事にある程度慣れないといけないと言う事が在ります。
そして、小口径で在っても、コンパクトデジタルカメラなどが採用するアクティブ方式で猫の事を照らす行為は、十分、猫側とっては異常行動の一つと受け取られますので、防衛本能が働く範囲内での撮影が難しくなります。
さて、ではどの様な距離で防衛本能が働いて居るのでしょうか?
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