【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
打ち上げ花火の撮り方 基本「前編」
稲垣 英徳
デジタル撮影が主流になった現在では、デーライトフィルム、タングステンフィルムの手法は、比較的広く受け入れられています。ですが海外においては、タングステンフィルムの使用については否定的な見解を持つ保守的な地域もあります。これらは、比較的明確な地域差や人種差、色の感受性の違いや、その地域の花火のデザインの違い等が大きく影響しているものと思われます。その為に、コンテスト目的や画材目的でのタングステンフィルムの撮影は、ある程度の注意が必要です。

しかし、タングステンフィルムなどの色出しは日本国内においては特定の花火…特に鮮やかな多色を出すタイプの花火撮影では必要不可欠なので、この二種類の色出しについては、知っておく必要があるでしょう。
特に地方自治体や花火業者主体のフォトコンテストでは、タングステンフィルムやそれに準じる色温度で撮影されたデジタル写真の人気は根強いです。
【写真9】
緑や青は色温度を低めにしないと上手く発色しないフィルムがあります。
フィルム時代を振り返ると、フィルム撮影で必要と言われたのは、

・フィルム―Velvia100などのポジ。
(ISO50であるVelvia50も良いのですが現在製造は終了しています。Velvia50は十秒前後の露出を超えると急激に色出しが悪化するという 顕著な問題がありましたが、新しい乳液を用いたVelvia50が2007年度中に登場する予定です)

・色補正フィルター
(新色が多く登場する様になって特に大事になりました)

・三脚

・レリースケーブル

・黒い厚紙
(バルブ解放しておいて、厚紙を使ってシャッターの花火のタイミングに合わせて露光させる方法が人気でした)

以上の物を用い、大体8秒以内。。。多くても10秒程度の露出でまとめるのがフィルム時代の撮り方でした。多くの花火写真はマジェンタの色が少し強く、かなり強烈なコントラストのものが基準で一つの定番でした。デジタルカメラで撮られたものは、CameraRAWで、色温度、サチュレーションやコントラストを操作して、このフィルムに近い色出しを試みます。

前編まとめ

フィルム時代のテクニックは未だに多くのカメラマンの方が採用していますので、ぜひとも習得したいテクニックです。
しかしながら現在の花火は、この伝統的なテクニックだけでは対応しきれない所があります。その点については後編で触れていきましょう。

後編に続く。

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  稲垣 英徳   2007.08.01