【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「後編 3」
稲垣 英徳

Defish

写真1
【写真1】 魚眼レンズならではの視野を用いています。Defish後に3:1の比率でトリムしました。

全天撮影の時と異なり、魚眼レンズを用いて普通に水平に撮った写真は、そのまま使用にするには色々な理由で大変不向きです。特に、二枚以上重ねている180度以上のパノラマでは、非常に繋げるのが困難な事を実感するでしょう。Photoshop上では、特定のプラグインを用いない限り、魚眼レンズを用いた全周パノラマを作成するのは困難な事から、今回のtipsも、全周パノラマにフォーカスをおかず、世間一般で言う所のパノラマ、いわゆる横長に撮影された物に重点をおいて行きます。
魚眼レンズは持て余しやすい
写真2 【写真2】
魚眼レンズは視野が広いメリットは在りますが、複数毎を張り合わせるのには不向きです。これは建物などを見れば分かりますが、歪みが激しすぎる為です。
魚眼レンズで撮影された物は、大抵の場合、【写真2】のように、持て余してしまう様な物になりがちです。微妙に水平からズレてしまうだけで、そのズレが強調されてしまうなど、魚眼レンズの手持ち撮影は、ボツ画像が大量に出る傾向があります。諸般の理由で三脚撮影が行えない時などは、大変困った事になりがちです。

魚眼レンズの名前の由来にもなっている独特の歪みが、二枚以上繋げるのを難しくしています。これが、魚眼レンズが最もお蔵入りしやすいレンズの一つになっている理由と言えます。魚眼効果を楽しみたい時以外の用途の時に、かなりハードルが高いのです。

写真3
【写真3】円周魚眼レンズ対応して居ない、通常のパノラマス作成機能を用いると、この写真の様な、もしくはもっと酷い貼り合わせ画像ができます。

円周魚眼レンズで撮られた写真が簡単に貼り合わせられないことは、上の写真からご理解頂けたでしょうか?現在の主流である、対角魚眼レンズも2枚以上の写真をはり合わせる場合には、似た様な問題が発生します。この為に、まずは魚眼レンズで撮影した物を、通常の広角レンズで撮影された物と似たような投影方法に変更する、いわゆるDefish、又は、UnWrapと呼ばれる作業が必要になります。
写真4 【写真4】
対角魚眼は、フルセンサー対応だと、焦点距離が15mm程度の物が多く、結果は円周魚眼レンズの様にはなりません。
写真5 【写真5】
魚眼レンズは画面端に行く程、歪みが酷くなり、画質も低下します。
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  稲垣 英徳   2007.09.28