【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「後編 3」
稲垣 英徳
手作業
写真9 写真10
【写真9、10】 最終的な出力先がWebなどの場合、Photoshopのアクションなどを簡単に使える手法を用いています。しかしながら画質ロスが大きく、非常に欠点の多い手法です。筆者にとっては、あくまでも理論検証の域を出ない物ですが、用途がある方もいるかも知れませんね。
Photoshopのスクリプトを書ける方は、一度defishの方法が確立されたならば、次からはオート機能である程度行える筈ですし、その様なヘビーユーザーでなくても、見よう見まねである程度の所まで直せば、後は比較的簡単にCS3のPhotomerge機能を用いてつなげられますから、その方針で今回のtipsを進めて行きたいと思います。

魚眼レンズとは、対象物を球体として捉えることから180度近い画質を得る物です。

もちろん完全な球体として捉える魚眼レンズは少ないですし、多くは等距離射影であって正射影は非常に少ないので、今回はあくまでも等距離射影のものを前提とします。

魚眼レンズが球に準じる物として像を捉える事を前提に、魚眼レンズで撮られた写真をノマールに写されている様に直す方法の一つとして、極端なまでのピンクッション処理をするという乱暴な方法があります。
写真11 【写真11】
画質ロスの説明:オリジナル画像から、単純なピンクッション処理を行って満足のいく修正画像を得るまでに実際に失われる画質が如何に大きいかを示しています。
この方法は、工夫によってショートカットキーのみで行えるなど、ユーザーからすれば大変楽なものですが、ただピンクッション処置を行うだけでは、あまりにも画質のロスが大きいことは【写真11】を見れば一目瞭然ですね。これではWeb用で小さく使うならともかく、印刷用などは難しくなってしまいますので、多少のアレンジが必要になります。

古いPhotoshopでは、フィルター>スケール>フィルターという作業を繰り返す必要があり、画質向上の為にフィルターもUnsharpMaskを何回も行う必要があり、これはかなり煩雑な作業でした。

筆者などは未だにその印象が強くあり、必然的にPhotoshopに色々付け足されていた便利機能を見落としがちになっており、CS2が出た時に足されたImage Wrap機能も、あまり注視せずにいたのです。

ところが、これが大変便利なものであり非常に作業が助かると気がついたのは、筆者の使用して居たプラグインがCS3との相性問題からアップデート版が出るまで使えなくなったからです。元々筆者は、Photoshopで安直にできるのなら、不具合が出やすい3rd Partyのプラグインソフトはなるべく使わずに安定性を確保したいという方針の持ち主です。3rd Partyプラグインを収集するピーク時で在ったv5.5の頃からに比べると、年々減少傾向にあります。自分用にプラグインソフトを書くことも行わなくなってきていますから、その辺りからPhotoshopが色々痒い所に手が届くアプリケーションになってきたという裏返しかも知れませんね。
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  稲垣 英徳   2007.09.28