【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
人物撮影:女性モデルを用いた人物撮影3(入門実践)
稲垣 英徳

人物撮影は早朝から

世間の一般的な理解では、クリエイター業界の人は夜型人間が多いとされています。
筆者も普段のデザインや写真編集などの仕事、日本との打ち合わせは夜間に行いますし、事務所などに勤める人達もフレックス出勤が多く、早起きとは無縁という印象すらありますが、人物撮影などの撮影は実はその様な世間の印象とは全く違って、大変早起きなことが多いのです。
写真2 【写真2】
早朝は、天候により色が極端にかぶりますし、色温度や光の角度が時間毎に変化しますから、一定時間毎の色の確認は非常に大事です。日の出直後時の色のチェックから。
スタジオ撮影は、自前スタジオとレンタルスタジオで行う方法があります。筆者も、人物撮影などでは(条件がクライエントにより変わるので)撮影に合わせたスタジオをレンタルすれば良いというお気楽なスタンスですが、その分、スタジオのレンタル時間に合わせての撮影日程を組むことが多くなります。つまり、スタジオの一般的なレンタル営業時間、朝の8時〜夕方の6時程度までの撮影になりがちなのです。
モデルさん達を相手にする時は、朝集合、そして半日(4時間)から〜1日(8時間)程度のセッションを行います。きっちり予算があるプロジェクトでは、それを何日も行って何枚かクライエントが要求するクオリティの物を捻りだす事になるのですが、低予算のプロジェクトでは、半日以内(大体4-5時間です)…さらにひどい場合は1-2時間程度で駆け足で色々撮ることとなります。

また、自然光を用いるアウトドア撮影の場合、朝日が比較的望ましいことから、日の出前に集合して準備、日の出と共に撮影、ということも頻繁に行われますので、自然光撮影は朝に、と言う観念が発達します。朝の撮影というのは、元々は欧米での各種事情(撮影許認可、保険のコストなど)の絡みから朝のかなり早い時間に撮ることが発達したということなので、カメラマン/アートディレクターの判断と予算、場所、許認可などの都合が許せば、本来は何時撮っても構わないのです。
他には、光の条件などから定番の写真を撮るのには午前中が最も良いというだけでしょうか。

筆者も、アウトドアの自然光撮影は、夕方〜夜にずれ込んで撮る必要がある場合を除いて、日の出前集合、日の出と共に撮影開始というスケジュールを良くやります。
ですので撮影に参加する方達は、非常に早起きをすることとなります。日が高くなり過ぎてからでは色々な問題が発生し、それを解消する為に必要な機材やそれを操る人員が必要になり、人件費としてはかなり高めになります。これらに必要な機材は、人物撮影には最も多いマンツーマン撮影には不向きとなります。勿論、日が高い時に撮るのに向いている機材というのも色々ありますので、それについては、このシリーズの後ほどに触れたいと思います。
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  稲垣 英徳   2007.12.20

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