原則としてヘアスタイリストは、資格を持つ美容師の方になります。日本国内の一般的な撮影現場において、明確な公的資格が必用になる数少ないものですね。
多くのプロジェクトは予算の制限が大きいので、ヘア&メイクと言う事でヘアスタイルの方がメイクを兼任して行う慣習があります。最も知られている例は、結婚式場のヘア&メイクや、美容院などでの和服の着付け及びメイクなどでしょうか?
本来はある一定より上のレベルでは別々の仕事になるべきものですから、予算的がある場合はメイクさんとヘアさんを双方確保!という事になりますが、人件費の問題から多くの場合はヘアさんを優先確保して、そちらの方にある程度のメイクもこなして貰うこととなります。
このため、撮影に参加できるヘアさんは色々な事がキッチリできる腕の良い方が必要になります。ただ美容師資格があるだけの経験の浅い方などは、撮影に必要な物を理解していないために、逆に足手まといになることさえありますので、その辺りには注意が必要です。もちろん、ヘアスタイリストの方の日当すら出ない撮影では、この様な心配以前の問題ですので、あくまでもモデルさんを撮影前に、ちゃんとした美容院に行ってもらって整えて貰ってから撮ると言う方法を選択することとなります。
一般的に撮影などの場合に必要な技術としては、鬘、つけ毛等の扱いが長けている人が最も良いので、そちら方面の技術がある方にお願いすればあまり間違いがないでしょう。また、衣装の着付け等もちゃんとしたスタイリストの方がいない場合は、ヘアスタイリストの方が担当すると言う様に、撮影時は何でも屋さんになっている側面があります。メイク、ヘアスタイリスト、スタイリストなどのどれか1人程度は何とかできる予算があるのなら、とりあえずヘアスタイリストの方を何とかすれば、ある程度のことを彼/彼女ができてしまうケースが多いのです。予算に限りがある場合、モデルさんと後一人分の人件費程度は出るならば、とりあえずアスタイリストの方を優先させることになります。
もちろん撮影等に使える、腕の良いヘアスタイリストの方への報酬は、腕や知名度に比例して大変高くなりますから、予算との兼ね合いを考慮しながら決めるしかありません。
予算が切迫した撮影の場合は極端な話、モデルさんにヘアをある程度指定したスタイルにして来て貰うのが関の山となります。マンツーマン撮影で翌朝からの撮影という場合、前日にセットして貰ったヘアを、朝にモデルさんが似たような感じに直して来てもらうと言うことになりがちですから、モデルさん個人にある程度のヘアをなんとかする技術がないと、厳しいのです。またはモデルさんに朝イチで美容室に行って貰ってから撮影、という事になるでしょう。
実際、その様に急いでアレンジするカメラマンは多いのです。
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