その最大の理由は、猫の協力が最も得られ難い照明のセットアップだと言う事でしょう。
慣れない猫で有ったら、フラッシュの光に恐れをなして逃げ出してしまいます。
又、猫のアクション撮影の場合は、薄暗い中を人間の目が追うのは難しい為、昼間の如く照明を焚く必要が出て来ますので、あまり黒目を重視したショットはアクション撮影の場合は行われません。
第一、猫もフラッシュで目が眩んでしまいますので、アクション撮影には向かないのです。
そして、繊細な目の持ち主で在る猫は特にフラッシュの灯を嫌います。フラッシュが好きな子供、犬猫は余り居ないですが、猫の撮り方(前編)から長々と述べて来た事を踏襲して居ない場合、猫は逃げ回ってしまうだけで、全く協力してくれない事態になってしまう事が大きいのです。その為、こちらの撮影はあくまで、協力的な猫が相手の物と考えれば良いでしょう。
また、カメラマン側の責任も重大です。絶対に直接高出力のフラッシュ光を猫の目に当てる様な真似はしない様にする必要が有ります。直接光はハードライトと言う事も在り、撮影の結果に悪影響を及ぼす影を作りますし、それ以上に、猫の目を痛めてしまいます。バウンス光やソフトボックスで柔らかくした光はそこ迄目を痛めませんが、直接フラッシュの発光バルブからの光を当ててしまう行為だけは、猫を傷つける行為となり、カメラマンのモラルを問われる事となりますで、絶対に避けて下さい。
フラッシュを使った撮影方法は、可愛く撮れる事から、カメラマンが一番報酬を頂ける物ですので、後編に於いて触れますが、取りあえず、予算と時間配分に易しいタングステン照明を焚いた物から触れて行きたいと思います。