【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編
撮影テクニック編
ネコの撮影テクニック「後編」
〜レンズを猫に上手く向けましょう〜

稲垣 英徳

フラッシュ撮影
くどい様ですが、一般的な猫の撮影法指南書は、猫の撮影は自然光で行い、フラッシュ撮影を避けるべき物として居ます。

インドア撮影では、昔だったら高いISO値のフィルム(ISO1600など)を使って撮る事をフィルム会社等は推奨しており、現代ではそれが高いISO値のデジタルカメラで撮る事に置き換わって居ます。4"x6"の大きさ迄にしか出されなく、大きく引き延ばしても六つ切り(8"x10")の大きさである個人撮影ならそれでも良い気もしますが、高ISO値の代償でどうしても、粒子の粗い、今で言うならノイズの乗った写真になってしまいます。これらの粗い写真は、基本的に引き延ばせる物ではなく、切り抜いたり、部分をクロップして使ったり、引き延ばせる事が大事な商用撮影には不向きなアプローチが多いのです。
img07 【写真 7】
これはかなり難易度の高い、至近に寄って絞り開放をしながらのフラッシュ撮影です。
国内で一般向けの指南書を書かれている写真家の方達の多くがジャーナリスティックスタイルの持ち主で有る事も大きいのですが、一般的にフラッシュ撮影を勧められないのは、強烈なハードライトであるフラッシュ光を綺麗にディフューズさせる為に必要な機材は、一般のアマカメラマンの持つ物では無く、プロやハイアマの人達が持つ機材になってしまう為です。


また、手持ちのフラッシュ機材に依って、特性が大きく異なる事もフラッシュ撮影の指南を難しくさせて居ます。ディフューザーひとつで、フラッシュ光の色温度も、光のかたさも変わってしまい、その後は全く別物の光になってしまう以上、説明が困難だと言う事なのです。 そして何よりも、コンパクトカメラやフラッシュ内蔵式カメラなどでは、フラッシュを使った際の赤目現象を起しやすく、赤目防止機能を使うと虹彩部分が絞られてしまうか、最悪の場合、顔を背けられてしまい、可愛く撮れないとされて居る事も大きな原因です。
img08 【写真 8】
こうやって遊んでいる所を撮る為に在るのを目標に書かれている本が大半です。
また、光がかたい為に、毛並み等も自然光撮影等で見られる柔らかい描写が難しくなる事から避ける物とされます。 これらの多くの指南書の内容を真面目に考えてみましょう。多くの指南書や、ネット上の撮影テクニックはフラッシュ撮影がダメと言って居ますが、実際に出されているNGの例の多くは、いわゆる順光撮影とハードライトに依る撮影がダメだと言って居るだけなのです。

大抵のカメラ内蔵フラッシュに依る撮影は、極端な程、カメラのレンズと同じ軸上に在るハードライトに依る順光撮影だから問題なので在って、フラッシュをきっちりディフューザーさせ、斜光、及び、逆光状態を作れる機材を持ち合わせて居るのなら、実は、フラッシュの方が色々な点で猫の撮影に於いては一般的な屋内照明や、タングステン照明に勝る物だと言う事です。
img09 【写真 9】
ゴロゴロしている動作を止めて、黒目が在る状態の写真を撮るには、やはりフラッシュ撮影が一番です。

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  稲垣 英徳   2007.05.01