また、絞りを開放する事で、ISO400〜ISO800程度の値だったら、インドア自然光撮影が可能になりますし、一般的な家庭の電灯の灯で撮影する事も可能です。近年のコンパクトデジタルカメラは、ISO1600〜ISO3200も可能な機種が在りますから、ますます高いISO値での撮影が推奨されるでしょう。実際、写真2の様に、猫が日中、室内で寛いでいる、少し薄暗い空間での撮影も、高いISO値に対応したカメラなら可能でしょう。これはインドアでの自然光撮影ですが、猫が寛いでいる所が薄暗い為に、シャッタースピードは遅いです。
他に大事なアプローチの違いとしては、多くの日本国内の猫撮影の指南書はジャーナリスティック撮影のアプローチを前提にしており、野良、外猫、自分の所の家猫の別で出会い、目線の合わせ方等に重点を置いて説明して居ますが、あくまでも偶発的な場所、条件で撮る事を前提として居ます。
【写真2】、【写真3】の様な撮り方は、良く在る指南本の言う所を念頭に置いた自然光撮影を念頭に行っていますが、この手の撮影アプローチは、コンスタントな結果を生み出すのは難しく、商用撮影で求められる、一定の質の物を決められた時間内に出すのが難しいのです。適当な光が出る天気と、猫の気が向くのを待っていたら、それこそ何時になったら求められている写真が出来るのかと言う問題が在ります。
【写真3】の窓からの光が間接的に入る明るい所で撮影されて居ますが、光の条件をここ迄整えるのは難しい為、時間と予算に限りの在る、商用撮影では勧められません。また、白抜きや黒抜きには不便です。それに対して、筆者の紹介して居るアプローチはインドア、及び、インドアコマーシャル撮影(所謂セットアップ撮影)を前提として居ます。