【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編
撮影テクニック編
ネコの撮影テクニック「後編」
〜レンズを猫に上手く向けましょう〜

猫の撮影で、絞り値を大きくしたい理由は複数在りますが、大事な理由だけ抜粋して見ましょう。
1. 毛の一本一本がキッチリ出るシャープな描写が出来ます。 (パリッとした写真を出すのが商用撮影の基本です)
2. 背景とのコントラストがキッチリする為に、Photoshopでの切り取り/色抜きが大変楽になります。 (猫の部分はクッキリさせると、後々の処理が楽です)
3. 望遠側での撮影の際に、十分なDOFが得られます。また、多少猫が動いてしまっても、十分なDOFが在ればなんとかなります。(フラッシュユニットのSyncのスピードの制限がある為、シャッタースピードは余り上げられないのです。筆者の場合50mm〜70mm程度の所で撮る事が多いです)
4. マクロ接写した際の必要なDOFを得るには相当絞る必要が在ります。(マクロ撮影の基本ですね)
5. ディフューズの度合いが弱く、光がある程度のハードライトの性質を保って居る。
(こればっかりは、フラッシュユニットの出力と手持ちのディフューズ機材の問題なので、Photoshopで短時間になんとかならない状態だったら、この光条件を前提に作業するしか在りません)

img12 【写真 12】
調整中の一コマ。絞りF8ですが、微妙にDOFのボケが出ていますが問題は在りません。もう少し、モデルライトの光量を落として、虹彩を開かせればオッケー写真になります。
絞るのを避けたい理由も在ります。
1. フラッシュの出力が足りない。(ポータブル機、小型ACフラッシュなどでは、ディフューザーを使うと光量が足りなくなる事も在ります)
2. 広角レンズ(特に魚眼など)で写り込んだ物を少しでもボカしたい。 (広角は写って欲しく無い物迄入ってしまいます。背景が小さければ間違い無く色々入ってしまうでしょう)
3. 広角レンズで、絞らなくても十分なDOFが得られている。 (これが写ってしまった物を取り除くのを面倒にさせるのです)
4. 毛並みがボケている方が綺麗に見える。 (絞り開放で撮る最大の理由ですが、大抵の場合は、綺麗に抜ける事が最も大事で、後でPhotoshopになんとかして貰います)
5. ディフューズの度合いが弱く、光がある程度のハードライトの性質を保って居る。
(こればっかりは、フラッシュユニットの出力と手持ちのディフューズ機材の問題なので、Photoshopで短時間になんとかならない状態だったら、この光条件を前提に作業するしか在りません)
img13 【写真 13】
猫の広角撮影も在る事はあります。また、APS-C機では、元々は広角のレンズの歪みを使って撮る事も可能です。
フラッシュ撮影で無難な撮り方をするとこの【写真14】のような感じです。
モノライトを明るくして居る為に、少々猫の瞳孔は締まっていますが、比較的無難な所で、猫も驚きません。猫が赤枠エリア(7〜9ページの照明図参照)より前に出かかって居ますので、右側のライトを微調整する必要が在ります。

猫の場合、犬と違い広角レンズでと言うリクエストは余り在りません。猫の顔は構造的に、人間と同じく、望遠側で撮る方が可愛い生き物です。一般的に、魚眼や広角で撮ると可愛いのは、鼻面の長い生き物で在って、猫や人間の様に正視エリアが大きな生き物では在りません。
勿論、例外的に、子猫の魚眼リクエストは在りますから、広角で撮る必要も稀には在るとだけは述べておきます。

毛並みのボケ味は、後でPhotoshopである程度なんとかしてしまえますし、広角レンズのDOFに関してはまあ、絞らずに使うと言う選択も在ります。ちゃんとした中型以上のスタジオストロボの美点は、ある程度出来る、出力調整に在りますが、小型の簡易ソケットタイプのACフラッシュの場合、調整が出来ない物も在る(若しくは2段調整)ので苦労するでしょう。
img14 【写真 14】

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  稲垣 英徳   2007.05.01