【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「中編 2」
稲垣 英徳
時間や予算に余裕のあるパノラマ撮影では、以前に紹介した方式や魚眼レンズを用いた方が圧倒的に優れた画質を確保出来ます。そのため鏡方式でも、展開後ではある程度レタッチに時間をかければ【写真 10】のような物でも、かなりクリーンアップ出来ます。
写真 10
【写真 10】

【写真 9】を展開した物。充分認識しやすい画像ですね。
ブロードバンドの普及率が低かった2001年ごろは、QTVRの納入は低クオリティでも良かったのですが、最近は光回線が普及し高画質の物を納入するように求められるようになりました。 そのため、多くの既製品メーカーは製品価格を大幅に上げたモデルを売っています。そのため、この鏡撮影ワンショット分野の敷居が高くなってしまったのかも知れません。ですが日本では屋外での三脚使用の制限が殆どないことから魚眼レンズや広角レンズを用いて、セグメント方式のパノラマを撮る方が経済的で綺麗な画像が得られます。これが元々、IPIXなどのつなぎ合わせる技術のユーザー数が日本では随分多かった理由だと思われます。

この鏡撮影による方法は、CS3にも搭載されているような、新たなパノラマ作成ソフト技術の進歩から、手持ち連写撮影でのパノラマ写真の作成もある程度の結果を得られる事が可能になったため、現在の多くの魚眼レンズが置かれているニッチ的な位置と同じく、純粋に昔のように面白い鏡の効果を楽しむ物になっていくと予想されます。人混みの撮影などの極めて限られた用途以外では、撮影されることはなくなるかも知れませんね。

終わりに:
今回は、写真の分野としては、魚眼レンズと並んでニッチなエリアである鏡を使用したパノラマ撮影にフォーカスを当てました。様々な形状の鏡を用いたパノラマ機材が市販されており、今回はまず原理的な説明を行いました。

次回は、実際に筆者が使っている物を自作するときや、Photoshop上での実際の展開処理などにフォーカスしてご説明していきたいと思います。
写真 11 【写真 11】
自作出来る0-360機材、製作コスト、大体5000円。
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  稲垣 英徳   2007.06.14