【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
打ち上げ花火の撮り方 基本「後編」
稲垣 英徳
色温度

デジタルカメラの多くは、コダックゴールド100/200という一般消費者向けデーライトフィルムの特性に近くなるようにCCDが設計されています。
もちろんそれらに当てはまらないメーカーの製品もありますが、そういうニッチ的なDSLR製品群の特性についてはここでは述べない事とします。
【写真6】
デジタルカメラの時代である今では、AWB(オートホワイトバランス)を用いてそのまま撮るというのも一つの表現方法です。
多くのデジタルカメラのセンサーがデーライトフィルムを前提に設計されている以上、デジタルカメラの色温度設定とセンサー性能の相性が一番良いのは5500Kの色温度という事になります。
この為、尺玉などの色があまり無いタイプの花火はなるべく5500Kで撮りたいものです。

また、現在のDSLRは非常に優れたAWB機能を持っています。特に2004年以降に製造販売された日本メーカーのDSLRの多くが非常に優れたAWB機能を持っているので、生徒等に撮り方を質問された場合には、AWBもしくは5500Kにセットして撮るようにと、筆者はよく答えています。
【写真7】
複雑な色温度条件が重なる花火の撮影会場では、適正な色温度の判断は難しくなります。
伝統花火〜一般的な尺玉などの撮影では5000K〜5500Kで設定すれば良いですが、90年代以降に登場した花火が対象だと、この設定では致命的な問題が発生します。現在では、一つの色温度で固定した設定では多彩な花火に対処できないのです。特に緑色、青色の花火は上手く描写されません。

この為、報道写真などではAWBで撮るのが無難であり、画材などの用途ではRAW撮影した後で、色温度はどうにかするということが望ましくなってくるのです。
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  稲垣 英徳   2007.08.16