【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
打ち上げ花火の撮り方 基本「後編」
稲垣 英徳
Composite:コンポジット
【写真10】
現在の花火は短時間で複数のバーストが起きるものが多く、たとえ数秒程度の露出であっても綺麗に出ない場合があります。
さて、フィルムの時代はバルブ解放しているカメラのレンズの前で厚紙などをかぶせ、重ねて撮るテクニックなどがありましたが、デジタルカメラの場合、長時間バルブを解放すると、発熱/ノイズ発生などの問題があります。
【写真11】
ISO100 絞りf14、シャッタースピード2秒という設定ですが、光の量的にはギリギリです。この様に明るい花火を相手に10数秒も露出させるのは不可能です。
その為、筆者は花火の種類によっては秒刻みで撮影したものを、フォトショップで完成させる手法を用いてダイナミックレンジ等の問題を抑えています。最大の留意点としては、コンポジット(合成)で作られた絵はニュース性のあるところで用いることはタブーであり、一般的な記録的要素のある写真コンテントなどでは、否定的に受け止められる場合もあります。

しかしながら、商用画材や自己鑑賞、自己表現目的などのためにコンポジットを用いるのはフィルムの時代から行われていた事です。短時間に多くのバーストがある花火の撮影では、実際に目が捉えた花火とカメラが捉えた花火との乖離もある事から、これからの花火の写真表現ではコンポジットの重要性が増してくるものと思われます。
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  稲垣 英徳   2007.08.16