【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
打ち上げ花火の撮り方 基本「後編」
稲垣 英徳
構図

花火撮影において構図は悩みの種となります。日本のように多くの湖、港湾、河川などが隣接する場所で行われる花火大会においては、明るい夜景などを組みこんで撮ることも可能です。

しかしながら、花火の方が圧倒的に明るい花火大会では、夜景は必ずしも上手く入らない事から、あくまでも花火を上手くフレーミングする方が、望ましい結果を得やすいでしょう。近年の傾向を見ていると、多くの場合、夜景を後からPhotoshopで重ねる手法が多く採られるようになってきています。

一般的なことを述べれば、景観等や気候条件が望ましくない場合は望遠で撮ると良く、景観等も気候条件も良い場合は、広角でなるべく景観を収め、なおかつ花火を綺麗にフレーム内に収めるように撮るのが望ましいと言われます。
【写真13】
あまり良い例とは言えませんが、3分割構図と、黄金比3分割構図を組み合わせるスタイルが良いでしょう。
花火のように、意外と予測の立てにくい被写体は、3分割構図で撮ると失敗率が低いでしょう。
ある程度風が安定し、打ち上げ装置も地上で固定されて設置される場合は、より複雑な構図に挑むことも可能です。
【写真14】
三分割構図の一例。だいたいのエリアが分割できれば良く、この場合は最も重要である観衆とライト、そして地表近くの花火を1/3のエリア内に納めます。
筆者が多くのサンプル写真を撮影した2007年度のNY市の独立記念花火大会では、打ち上げる船が移動しながら発射する形式であり、折からの雷雨交じりの強風の気候で、花火の打ち上げ先の位置も安定しなかった事から、三分割構図が限界で、採用できる構図には大幅に制限がありました。

日本国内での撮影では夜景を見下ろす位置からの撮影が可能な所が多いので、夜景などを下1/3、海/空間などを真ん中の1/3弱、花火を1/3強使う構図なども良いでしょう。

構図は、臨機応変に対処する必要がありますが、大抵の場合は3分割図で大まかに配置して撮ると失敗が少ないです。筆者は、花火の写真は画材などに使う事から、望遠で撮るものを気に入って用います。コンテストや記念撮影などでは広角で撮った方が場所を特定できてよいですが、それぞれの用途に合わせて撮ると色々使い道があってよいでしょう。
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  稲垣 英徳   2007.08.16