【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
打ち上げ花火の撮り方 基本「後編」
稲垣 英徳
前編では、未だに大きな影響があるフィルム時代の花火の撮り方について触れました。
デジタルでの撮影では

現在のデジタルカメラでの花火撮影でも、未だにフィルム撮影のような仕上がりを求められる傾向があり、Photoshop上での処理も、フィルムに近い仕上がりにする事が多くあります。
【写真1】
色温度3200Kに色補正後、Photo Filterを付ける方法でこの色を出しています。
使用された新色の緑色が5500Kとは相性が悪い為にCameraRAWでは、3200Kを使っています。
しかしながら、ここ十数年に急激に明るさや色彩を増した現在の国産の花火では、80-90年代に主流となったポジフィルム撮影を念頭においた撮影テクニックでは、良好な結果を得るのが難しくなりつつあります。また、ほぼ毎年の様に登場する新色の花火も、さらに撮影を難しくしています。

伝統的な撮り方を墨守した為の失敗例を見ていきましょう。
【写真2】
典型的な失敗例。伝統的な撮り方に準じ、ある程度の明るさに対応した絞りF13、シャッタースピード6秒で撮られたのですが、今の明るい花火に対応できず、見事に露出オーバーになっています。上手く表現するには、細かくシーケンスで撮ったのを重ねるしかありません。
筆者がカメラを真似事程度に触れていた学生の頃から、一般的に言われていたのは、絞りはF8、露出は5-6秒から7-8秒、でした。初心者には覚えやすく、ISO100 F8:S8で撮れば良いと言われていました。

しかしながら、この設定は、現在の明るい花火大会では、かなり時代遅れな設定です。
【写真3】
絞り値F8、シャッタースピードは10秒程度ですが、光量が圧倒的で露出オーバーとなっています。フィルム時代の伝統的な設定が有効でなくなっているのがわかりますね。
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  稲垣 英徳   2007.08.16