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モノリス!
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a_000 江東区若洲海浜公園
Copyright: Hideyuki Motegi
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若洲海浜公園脇の木立を抜けると突如そびえ立つコンクリートの柱。思わず「モノリス!」と叫んでしまいました。モノリスはご存知「2001年宇宙の旅」に出てきた謎の物体です。モノリスは数百光年彼方の異星人が地球人類を滅亡させる目的で太陽系に送り込んできた物体です。その詳細は2010年、2061年、3001年と小説が進むにつれ明らかにされていきます。「2001年宇宙の旅」映画版は1968年公開だそうです。
ああ、それから約40年。いつの間にやら時代は「2001年」を追い越してしまいました。巨大宇宙ステーションもできてないし、月面基地もありません。ましてや木星への有人飛行なんて夢のまた夢です。
いま、中国が宇宙開発に力を入れていますが、「2001年宇宙の旅」が現実になった時、ディスカバリー号の船長は中国人かも知れませんね。そう、アメリカのテレビシリーズ「STAR TRECK」では21世紀初頭にワープ航法が開発されることになっています。ああ、子どもの頃には本当にそんな未来がくるものと21世紀を待ちこがれていたんですけどねえ。いつのまにやらです。
ああ、さてさて、現実のモノリスです。これは江東区の若洲と東京湾中央防波堤を結ぶ「東京港臨海大橋」(仮称)の橋脚部分です。東京港臨海道路2期事業の一環で中央防波堤を抜けて大田区の城南島とつながります。共用予定は2010年。うーん。「2010年宇宙の旅」(映画は「2010年」)では、2010年にモノリスが木星を取り囲み第二の太陽としてしまうのです。東京港のモノリスにはそんな機能は埋め込まれていないと確信しますが、海面からの高さ87.8m、一日の推定交通量35,400台を支える大事な足です。東京港内にあるコンテナターミナルの物流を円滑にし、年間300億円という巨額の経済効果が、このモノリスの機能なのです! PEACE & MONEYです。
圏央道や第二東名など今世紀前半の完成を目指し、東京とその近郊で多くの道路計画が進んでいますね。渋滞解消、環境改善、経済効果です。CLEANですね、MONEYですね。空気以外もキレイにできたら、PEACEですよね。東京湾のモノリスにはそんな機能が隠され……。ここはひとまず「Live long & Prosper」ってことで。
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What's "Tokyo Archive" ? |
自分が生きる街、時代を写真家の目で記録し残す。これは、写真家という職業上の責務でもあり、見過ごすことのできない被写体です。心を同じくする仲間とともに始めました。そして、他の都市にも広がらせたい。それがアートでもあるわけです。写真が持つ記録という力を楽しみ蓄積し、後世に「平成」という街や時代や空気を伝えていく、東京アーカイブとはそんなプロジェクトです。
http://archive.ihf7.jp/ |
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茂手木秀行 |
写真家1962 年東京生まれ。(株)マガジンハウス勤務、ポパイ編集部スタッフフォトグラファー。'90
年ごろより写真のデジタル加工を始め、'97 年ごろからは撮影もデジタル化。そして苦しむ。'03/'05 年雑誌写真記者会ファッション部門賞、'04
年雑誌写真記者会優秀賞受賞。'05 年個展「トーキョー湾岸」開催。「東京アーカイブ」主宰。 |
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