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Photoshop world Column
変わり続ける都市「東京」を撮り続ける写真プロジェクト、東京アーカイブ
TOKYO ARCHIVE#14
テキスト・茂手木秀行

橋の上から

 
江東区若洲
 
a_000_江東区両国3丁目塩原橋
Copyright: Hideyuki Motegi
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※著作者に許諾をうけて、高解像度の作品をご提供いただいています。

何がびっくりしたって、いるんですよ。小魚の群れが。首都高7号線高架下の堀川ですが、すいません、名前がわかりません。今は護岸に囲まれ、川岸に立つことはできませんが、橋の上からわかりましたよ、小魚の群れ。隅田川がきれいになったからなんでしょうね。なんだか嬉しくなります。どんな魚かはわかりませんが、釣り糸を垂れてみたいですねえ。ちょっと前、子供たちにルアーブームがありましたが、ブームの頃は公園に行けば必ずルアー竿をもった子供たちがたくさんいましたけれど、今は下火なんですか?ちょっと見かけなくなったように思います。でもまあ、いずれにせよ今の子供たちはこんな小魚釣りませんよねえ、イトミミズなんかをちまちまと餌にしたりなんかして。僕らなんかは、近所のドブのような川でも魚の姿を見かければ必ずや釣り糸を垂れましたよね。ちょっと遠出をした大きな川では、クチボソやらダボハゼなんかを釣りましたけど。当然食べるわけでもなく、家に持ち帰り水槽で飼ったりしてましたが、なんだか臭かったですね。あれ、川の汚れで魚自体が臭かったんでしょうか。今もこの橋の上から釣り糸を垂れてみたい衝動に駆られているわけですが、食べたいわけでも飼いたい訳でもないのですよ。釣れると困ってしまいます。でもね、釣りがしたいのですよ。東京の橋の上でちょっと、釣りをする時間を楽しむ。とても上等な暇つぶしだと思うんですがいかがでしょう。


What's "Tokyo Archive" ?
自分が生きる街、時代を写真家の目で記録し残す。これは、写真家という職業上の責務でもあり、見過ごすことのできない被写体です。心を同じくする仲間とともに始めました。そして、他の都市にも広がらせたい。それがアートでもあるわけです。写真が持つ記録という力を楽しみ蓄積し、後世に「平成」という街や時代や空気を伝えていく、東京アーカイブとはそんなプロジェクトです。
http://archive.ihf7.jp/
 
茂手木秀行
写真家1962 年東京生まれ。(株)マガジンハウス勤務、ポパイ編集部スタッフフォトグラファー。'90 年ごろより写真のデジタル加工を始め、'97 年ごろからは撮影もデジタル化。そして苦しむ。'03/'05 年雑誌写真記者会ファッション部門賞、'04 年雑誌写真記者会優秀賞受賞。'05 年個展「トーキョー湾岸」開催。「東京アーカイブ」主宰。


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