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Photoshop world Column
変わり続ける都市「東京」を撮り続ける写真プロジェクト、東京アーカイブ
TOKYO ARCHIVE#14
テキスト・茂手木秀行

とうけいじょうと言うらしい

 
江東区若洲
 
a_000_千代田区千代田
Copyright: Hideyuki Motegi
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※著作者に許諾をうけて、高解像度の作品をご提供いただいています。

江戸城は、現在では一部しか残っていない外堀と神田川とを総構えとした世界最大の城郭だったそうです。1457年に太田道灌が築城。最初は小さな城だったようですが、1603年徳川家康が江戸開府とともに拡張を開始、3代家光の時、1636年に完成したのだそうです。現在、皇居として残っているのは内堀に囲まれた本城部分なのですね。江戸の昔を伝える歴史的建造物であり、風景だと思うんですが、その景観はたびたびの火災、震災、そして空襲により変化しているんですよね。お城といえば、天守閣!なわけですが、江戸城の天守閣は3度築かれ、1657年の明暦の大火により焼失して以降は再建されていません。暴れん坊将軍のいる天守は姫路城で撮影されているそうですが、白鷺城と称される姫路城とならび美しく威容を誇るお城だったことでしょう。東京の変化を見つめる「東京アーカイブ」としては、東京で最も変化の少ないところとして感慨をもって見つめているのですけれど、調べてみると随分に変化をしているんですね。天守を焼失する大火以外にもたびたび火災に見舞われたそうですし。それでも、日々変化する都市「東京」において、江戸城に流れる時間は格別なのではないかと思います。ゆったりと歴史を綴る時間がこの美しい景観を作り出しているのでしょう。緑豊かなこの景観がこの先何百年も変わらず存在してくれるのだと信じるだけで、幸せな気持ちになりますよ。
あ、そうそう「江戸城」と書いてきましたが、1868年に東京城(とうけいじょう)と改名されたそうです。


What's "Tokyo Archive" ?
自分が生きる街、時代を写真家の目で記録し残す。これは、写真家という職業上の責務でもあり、見過ごすことのできない被写体です。心を同じくする仲間とともに始めました。そして、他の都市にも広がらせたい。それがアートでもあるわけです。写真が持つ記録という力を楽しみ蓄積し、後世に「平成」という街や時代や空気を伝えていく、東京アーカイブとはそんなプロジェクトです。
http://archive.ihf7.jp/
 
茂手木秀行
写真家1962 年東京生まれ。(株)マガジンハウス勤務、ポパイ編集部スタッフフォトグラファー。'90 年ごろより写真のデジタル加工を始め、'97 年ごろからは撮影もデジタル化。そして苦しむ。'03/'05 年雑誌写真記者会ファッション部門賞、'04 年雑誌写真記者会優秀賞受賞。'05 年個展「トーキョー湾岸」開催。「東京アーカイブ」主宰。


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