【Photoshop for Photograph】
写真加工テクニック編 撮影テクニック編

撮影テクニック編
Photoshopで出来る簡単なパノラマ 「前編」
稲垣 英徳
フィルム時代(90年代)の規格

通常のカメラで画角という場合は、対角画角と呼ばれる、フィルムの対角線上での角度を指します。これが45度である場合、人間の目の見え方に近い事から、35mm判での50mmレンズの様な47度という近似値を持つレンズは「標準レンズ」と呼ばれます。対角画角はレンズの焦点距離が短い程大きく、焦点距離が長い程小さくなります。

ところが、トリムしてしまう事が前提のパノラマ写真や他フォーマットのフィルムの場合、この形式だけでは実際の画角が判らなくなってしまいます。この為に、横長露出ならば水平角度、縦長ならば垂直画角という物が大事になって来るのです。このtipsでも異なるフォーマットの事を触れたり、トリムを前提の撮影を行う事から、水平角度を基準にして画角の説明を行っています。

これらのカメラは、実際の画角は35mm〜38mm相当のレンズが使われた為、水平画角自体は100%使う3:1の比率でプリントされても51〜54度程度になりますから、ワイドビュー式のカメラが持つ水平画角80度以上の画角やスイングレンズ式の持つ100度以上の画角とは、随分違う物でした。
【写真 4】
35mmの画角の物をトリムする前、水平画角は54度、撮影はEOS5D。
しかしながら、35mmの焦点距離で撮る物は記念集合写真などで慣れ親しんだ形に非常に近い描写であり、歪みも最低限で在るこの視覚心理(目の錯覚)を利用したこの方式はかなりの支持を得た物でした。
【写真 5】
【写真 4】をトリムした物。画角は54度、この画像を在る一定の大きさ以上に引き延ばすと、目の錯覚からパノラマっぽく見えます。この形式が一時流行ったカメラのパノラマ仕様でした。このトリムではアスペクト比(3:1)を採用しています。このタイプのトリムは絵画などに使われいた物ですね。
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  稲垣 英徳   2007.05.14