この【写真 12】では、マンハッタン島が35mmで撮影されていますが、撮影対象の条件が合えば、この様に8:1のパノラマにも出来る事が判りますね。
この手の極端なトリムをされた物は画面では存在しますが、観光地のお土産店で見かける極端な横長ポスターでも実際の所は4:1〜5:1の比率が限度です。これは人間の視角心理的には、3:1程度のプリントでなければ縦が4インチ(約10cm)を超えるプリントになると、横に長過ぎる様に感じる為です。画面でいうなら、横にスクロールする必要がある画像を「横長過ぎる」とユーザーが感じるのに似ています。ここら辺の説明は慣習単位と言われる人間の感覚に基づいた物が説明しやすいのかも知れません。
簡単に言えば、標準的な成人男性の手のひらの幅大きさと、拳から肘までの長さの関係であって、この比率は大雑把に言えば1:3です。これを拳二つ半〜以上の距離で目の前にかざして見ると、丁度その男性の正視エリアギリギリに近い範囲になります。この比率よりも横に長い物も、縦に長いものも、視野から外れ易くなる為に、人間の感覚は不自然に感じるのです。もちろんこれはあくまでも慣習単位での大雑把な話しなので、厳密な物ではありません。
ただ、黄金比、白銀比から中途半端に外れた2.78〜3:1の比率が受け入れられた慣習的な下地の物と思って頂ければ良いでしょう。